また、エッジコンピューティングに関連する需要に対応すべくインタフェースや拡張スロットも増強した。AR2100モデル120Rでは、さまざまな市場から要望の多かったデジタル入出力(DIO)とリモート電源制御オプションを「ARシリーズ」で初めて標準搭載可能とした。顧客の装置や設備とDIO接続することにより、制御信号やデータの入出力、相互の状態確認が可能になる。また、リモート電源制御により本製品を組み込んだ装置の外部から電源投入や切断などの遠隔操作も行える。
拡張スロットのPCI Express(PCIe)がPCIe 3.0からPCIe 4.0に向上しているので、AI(人工知能)や画像処理で顧客が求める高い性能にも対応可能になっている。ミドルタワー型のAR8300モデル300R/310Rは、PCIeの拡張スロット数を従来モデルの4から7に増強しており、LANポートも2から3、ディスプレイインタフェースも2(VGA、DVI-D)から3(VGA、ディスプレポート×2)に増やした。AR2100モデル120RはUSBポートが4から6に、AR2000モデル430PはLANポートが2から3に増えている。
インテルCPUは、第13世代の「Core i7」と「Core i3」、第12世代の「Pentium」と「Celeron」を採用している。従来モデルのインテルCPUは、第8世代のCoffee Lake/Coffee Lake S、第9世代のCoffee Lake Refresh/Coffee Lake Refresh Sだったので大幅な刷新となる。DRAMがDDR4からDDR5となったことと併せて、従来比の最大2倍の性能を実現しており、コア数、スレッド数の増強によってさらなる並列処理が可能になり効率化も図れる。
ストレージには、高速データ転送を特徴とするNVMe SSDを採用し、従来比約2倍にスループット性能が向上したことで、OS起動時間やファイルのリードライト時間などを短縮できる。AR2100モデル120Rについては、これまで難しかったハードウェアベースのRAID機能(RAID1)の実装により、大容量ストレージとデータ冗長性を兼ね備えたモデルになったとする。
なお、インテルの第13世代/第14世代CPUはクラッシュなどを起こす不具合問題が出ている。今回の新製品については「出荷開始時期に当たる2024年末以降には解消できている見込みなので、問題はないと考えている」(PFU)という。
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