Autodeskは、同社の「デザインと創造(Design&Make)」のプラットフォームが、2028年開催のロサンゼルスオリンピック・パラリンピック競技大会(LA28)および米国チームの公式プラットフォームに選出されたことを発表した。
米Autodesk(オートデスク)は2024年8月15日、同社の「デザインと創造(Design&Make)」のプラットフォームが、2028年開催のロサンゼルスオリンピック・パラリンピック競技大会(以下、LA28)および米国チームの公式プラットフォームに選出されたことを発表した。
併せて、LA28のために「常設会場を新設しない」計画を明らかにした。サステナブルな設計原則を取り入れ、既存インフラの改修や一時的なインフラ建設によってオリンピック会場を構築する考えだ。
デザインと創造のプラットフォームとは、あらゆるモノづくりのデザイン、設計、創造を支援する、クラウド統合ソフトウェアソリューションのことで、ファイル中心ではなく、データ中心のワークフローを実現するものだ。その基盤は、製造向けの「Autodesk Fusion」、建築/エンジニアリング/建設/運用(AECO)向けの「Autodesk Forma」、メディア&エンターテインメント(M&E)向けの「Autodesk Flow」からなる3つのインダストリークラウドで構成される「Autodesk プラットフォーム」として提供されている。
Autodeskは、「ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム(Los Angeles Memorial Coliseum)」を含む、LA28の会場となる40以上もの競技会場と主要な非競技会場の改修を、同社のソフトウェアを通じて支援。工期短縮、コスト削減、プロジェクト全体にわたるサステナブルな設計原則の導入に貢献するとしている。
LA28は今後4年間にわたり、施工管理ソフトウェア基盤の「Autodesk Construction Cloud」をはじめとするAutodesk製品を中心的なツールに据え、会場のデザインから開発、完成に至るまでに関わる何千もの主要なステークホルダーとのコラボレーションを推進していくという。
Autodesk AEC(Architecture,Engineering and Construction)ソリューション担当 エグゼクティブバイスプレジデントのAmy Bunszel(エイミー・バンゼル)氏は「Autodeskでは、既存の建造物が最もサステナブルな建物であると考えている。そのため、サステナビリティを最も重視しているLA28会場において、既存の建造物を改修するという大胆な計画に期待を寄せている。今後4年間にわたって、当社のソフトウェアは既存の会場を意図的に設計、建設、改修、再利用するスポーツイベントを実現するための、新しい基準を設定するのに役立つことだろう」(プレスリリースより)と述べている。
Autodeskは、既存の建造物を正確にモデル化し、さまざまな改修や再利用のシナリオをシミュレーションするために必要なデータと知見を提供。建築に伴うエネルギーや材料の使用に関するトレードオフを評価し、CO2排出量の削減に貢献する。
さらに、LA28とAutodeskは、ロサンゼルスの住民や労働者、企業などが地域全体で安定して移動できるように、今後4年間にわたり、ロサンゼルス地域の主要な公共交通機関との連携を推進。LA28は、大会に関連する主要な交通手段や交通管制計画の設計においても、Autodeskのソフトウェアを使用する予定だ。
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