Autodeskは、AIを活用した製造業向けクラウド「Autodesk Fusion」の機能拡張について発表した。設計、製造プロセス全体を自動化できる。
Autodesk(オートデスク)は2023年11月15日、AI(人工知能)を活用した製造業向けクラウド「Autodesk Fusion」の機能拡張について発表した。設計、製造プロセス全体を自動化できる。
Fusionが備えるクラウドベースのAutodeskデータモデルは、ワークフローを自動化、合理化し、複数のツールを1つにまとめることができる。1つのワークフローで変更があれば、すぐに自動でユーザー全体に反映されるため、従来の製品開発プロセスのように、複数のツール間でデータを引き継ぐ必要がなくなる。また、「Autodesk AI」が同じクラウドデータを利用することで、反復作業も不要になる。
現時点で、InventorとAutodeskの設計用ソフトウェア「Revit」「AutoCAD」とFusion間で、データをスムーズにやりとりできる。パートナーやサードパーティーの開発者も、AutodeskのデータモデルAPIを使用することで、Fusion用モデルを構築可能だ。
また、買収したBlank.AIの生成AI技術により、Fusionで生成AIを用いたコンセプチュアルデザインが可能になった。企業のライブラリから過去のデータを引き出し、既存のデザインスタイルとガイドラインに基づいた新しい3Dコンセプトを数ミリ秒で作成できる。自動図面作成機能も搭載しており、ボタンをクリックするだけで3Dモデルを完全な2D図面に変換する。
パートナー企業との協業により、さまざまな技術をシームレスに連携できるようになった。例えば、AIを活用してCNCツールパスを自動化するCloudNCアドインは、ツールのプログラミングにかかる時間を最大80%短縮する。
Fusionの機能には、提携や買収によって拡張したものもある。Cadence Design Systemsは、Autodeskプラットフォームエコシステムの一部として統合しており、CadenceのPCB設計機能がFusionと直接接続され、データを双方向でやりとりできる。
また、工場や物流センターの生産プロセスを最適化する技術を持つ、FlexSimを買収したことで、工場運営や建築設計、建設ソリューションのメリットを1つにまとめられるようになった。工場の設計データと運用データをつなぐ重要なリンクを提供し、デジタル工場の企画、設計から建設、運営までを全面的にサポートする。
新機能のコンフィギュレーションは、1つのファイルから複数の類似製品モデルを作成できる。構成ごとにファイルを作成する必要がなく、ファイルの管理や設計変更が容易になる。また、全ての情報が1つのファイルに格納されるため、読み込み時間が短くなり、効率的に閲覧、管理ができる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.