サージ電圧を最小限に抑制する設計を採用したSiCパワーモジュール組み込み開発ニュース

新電元工業は、民生および産業機器向けのSiCパワーモジュール「MG074」のサンプル出荷を発表した。新たに開発したパッケージを採用し、搭載するSiC-MOSFETの性能を最大限に引き出している。

» 2024年08月01日 14時00分 公開
[MONOist]

 新電元工業は2024年7月11日、民生および産業機器向けのSiCパワーモジュール「MG074」のサンプル出荷を発表した。新たに開発したパッケージを採用し、搭載するSiC-MOSFETの性能を最大限に引き出している。

キャプション SiCパワーモジュール「MG074」 出所:新電元工業

 同製品は、電流経路で発生するサージ電圧の差を最小限に抑制するため、内部構造は配線長が等しくなるように左右対称のレイアウトにした。モジュール内部の端子とパターンの配置を工夫し、ディスクリート製品を2個使用した場合に比べ、浮遊インダクタンスを66%低減。ターンオン波形、ターンオフ波形の改善により、ノイズを抑制している。

キャプション ターンオン波形、ターンオフ波形の改善によりノイズを抑制[クリックで拡大] 出所:新電元工業

 また、発熱源の半導体素子を分散配置して熱干渉を抑制し、機器の高性能化と信頼性向上を図った。ID95Aの「MG074D」、同51Aの「MG074E」、同31Aの「MG074F」の3種を用意し、V(BR)DSSは750Vとなる。

キャプション 発熱源の半導体素子を分散配置して熱干渉を抑制 出所:新電元工業

 民生機器のブリッジレスPFC回路や、産業機器のフルブリッジコンバーターなどでの利用を見込む。発売は、2025年の冬を予定している。

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