東京大学生産技術研究所とワールドスキャンプロジェクトは、海底に眠るレアメタル資源の探査システムを開発し、水深1700mでの磁気データ取得に成功した。
東京大学生産技術研究所は2024年7月18日、ワールドスキャンプロジェクトとの共同研究チームが、海底に眠るレアメタル資源の探査システムを開発し、水深1700mでの磁気データ取得に成功したと発表した。
この探査システムは、ワールドスキャンが開発した磁気センサー「ジカイ」と、東京大学生産技術研究所のソーントン研究室が開発した3D画像マッピングシステム「SeaXerocks3」を有索遠隔操縦ロボット(ROV)に搭載したものだ。ジカイは従来の金属探知センサーと異なり、水中ドローンのモーターが発するノイズや磁気を帯びた物体の影響を受けにくく、深海環境でも安定した性能を発揮する。SeaXerocks3は、海底の高精度な位置情報や微地形を測定するシステムで、磁気異常データとの相関を解析して評価する。
今後は深海の磁気異常計測により、深海に眠るレアメタルの存在量と位置情報を把握し、正確な海底資源マップの作成を進める。また、ジカイを小型化して自律型海中ロボット(AUV)に搭載し、従来の金属探知センサーでは困難だった送電ケーブルの測定など、洋上風力施設の点検への活用を目指す。
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