物流現場のバーコード読み取りにラズパイを活用するラズパイで製造業のお手軽IoT活用(15)(1/3 ページ)

小型ボードコンピュータ「Raspberry Pi(ラズパイ)」を使って、低コストかつ現場レベルでIoT(モノのインターネット)を活用する手法について解説する本連載。第15回は、物流現場におけるラズパイと各種情報収集方法の組み合わせについて紹介する。

» 2024年07月25日 07時00分 公開

 本連載ではこれまで、小型ボードコンピュータの「Raspberry Pi(ラズベリーパイ、略してラズパイ)」を活用した、生産現場における設備からのデータ収集や作業者による不良実績収集の例について紹介してきました。今回は、物流現場におけるラズパイと各種情報収集方法の組み合わせについて説明します。

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1.物流現場における情報収集自動化の進め方

 物流現場では、製品や部材について品番ごとに在庫が幾つあるのかを把握するため、入出庫の受払い情報の記録を収集する必要があります。この場合、箱やパレットに付けたバーコードから情報収集を行うのが一般的です。

 しかしながら、情報収集の対象となる納品書や現品票にそれぞれ印字されているバーコードが1次元や2次元でフォーマットが異なっていたりすると、現場でハンディーターミナルを使用して入力する必要が出てきて、その分だけ工数がかかってしまいます。これをラズパイと接続したカメラを使ってバーコード読み取りを行えば、フォーマットがバラバラでも簡単に読み取りができるようになり現場の入力の工数を削減できます。

 この手法は、納品書や現品票のフォーマットを変更しないで収集することが前提になっていますが、これらを2次元コードに統一してドキュメントスキャナーで画像解析すれば一括処理での自動化が図れるためさらに工数を削減できます。さらに、RFIDを用いれば、箱やパレットが通過した際に自動的に情報収集することが可能になります。

 物流現場の情報収集の自動化を進める上では、図1に示した情報フォーマットの標準化と情報収集自動化レベルを念頭に置きながら、自社の現在地を認識した上で最適な情報収集方法を選択することが重要です。

図1 図1 情報フォーマットの標準化と情報収集自動化レベル[クリックで拡大]

 ここからは、2つの情報収集方法に対応する活用事例を紹介します。1つは、図1内の横軸Step2の「画像解析/フォーマット個別」に対応する「ラズパイカメラと画像解析」、もう1つはStep3「画像解析2次元コード統一」に対応する「ドキュメントスキャナーと画像解析」です(図2)。

図2 図2 物流現場における情報収集方法でのラズパイ活用法[クリックで拡大]
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