OKIエンジニアリングは、計測試験装置の校正作業を代行するサービスとして「計測試験装置メーカーとのタイアップ校正サービス」を2024年6月26日にリリースする。
OKIエンジニアリングは2024年6月12日、オンラインで説明会を開催し、計測試験装置の校正作業を代行するサービスとして同月26日にリリースする「計測試験装置メーカーとのタイアップ校正サービス(以下、タイアップ校正サービス)」について紹介した。メーカーとのタイアップ校正は、計測試験装置メーカーとOKIエンジニアリングが協力し合うという意味で利用されている。
近年、市場のグローバル化と技術革新が進む中、商品の開発スピードも加速しており、商品開発に重要な人材と資源を集中させたい計測試験装置メーカーが増えている。
一方、計測試験装置が正しい計測を行えているかなどを確かめる校正作業については、自動車産業に特化した品質マネジメントシステムに関する国際規格「IATF16949」の取得企業や医療機器メーカーを中心に品質の維持/向上を目的に、国際標準化機構に策定された規格「ISO/IEC17025」に認定された機関や企業の校正作業を求める声も増えている。
OKIエンジニアリング 計測事業部の佐藤大介氏は「当社でもISO/IEC17025に認定された校正作業の売上高は右肩上がりを続けており、2023年の売上高は2019年と比べて176%増を記録している」と話す。
しかし、特殊な計測試験装置を取り扱うメーカーは、校正作業に専門技術/専門機材が必要なため、校正作業を外部に委託することができず、社内で行わざるを得ない状況にある他、ISO/IEC17025の認定を取得するためには人材、資源、技術のハードルが高いという課題もある。
そこで、OKIエンジニアリングはタイアップ校正サービスをリリースする。タイアップ校正サービスは、同社の社員が計測試験装置メーカーから専門技術の指導や認定を受け、必要な治具や標準器を準備することで、メーカーが自社で実施していた対象計測試験装置への校正作業と同等の作業を顧客に提供する。一部の点検や修理にも対応することに加えて、ISO/IEC17025認定校正サービスの提供や、全国への出張校正サービスも行う。
佐藤氏は、はんだ評価試験機の国内シェアナンバー1メーカーであるA社のタイアップ校正サービスの先行事例を紹介。このメーカーでは、公正で中立的な第三者における評価のニーズが高まっていることを考慮するとともに、高い技術レベルで信頼性のある校正サービスを提供できるサポート体制を構築したいと考え、タイアップ校正サービスの利用を開始した。2022年度にOKIエンジニアリングはA社から対象試験機の校正技術を習得した後、その認定を取得。その後、OKIエンジニアリング内にA社の専用設備とブースを設置し、対象試験機の校正サービスを開始した。現在は全国を対象にこの試験機の出張校正にも対応している。OKIエンジニアリングはこの試験機の校正作業に関してISO/IEC17025認定を2025年4月に取得する予定だ。
同社は2024年度におけるタイアップ校正サービスの売上高目標として年間1億円を掲げている。「当社が過去50年にわたり校正機関として蓄積してきた技術や知見を生かしタイアップ校正サービスを展開する。これにより、計測試験装置メーカーは人材/資源のリソースを商品開発と販売へ集中させることができるにようになる。なお、タイアップ校正サービスは国内だけでなく国外の計測試験装置メーカーも対象とする」(佐藤氏)。
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