豊橋技術科学大学と近藤製作所は、産業ロボット向けの非接触電力伝送ロータリージョイントを開発した。従来の産業ロボットで課題だった、ノイズや断線などを克服し、デジタル化による生産性向上が期待できる。
豊橋技術科学大学は2024年4月26日、近藤製作所と共同で、産業ロボット向けの非接触電力伝送ロータリージョイントを開発したと発表した。産学行政連携の研究開発プロジェクト「知の拠点あいち重点研究プロジェクトIV期」の研究テーマ「スマートファクトリーの完全ワイヤレス化に向けた非接触電力伝送」における成果となる。
従来のロータリージョイントは、接触式のスリップリングを介して電力供給や信号の送受信をする。そのため、ロボットの急激な動作によるノイズや摩耗の影響、連続動作による断線などの問題があった。
新開発の電力伝送ロータリージョイントは、電界方式を採用。非接触のため、連続駆動による断線を防ぐことができる。また、送電側と受電側をそれぞれ2枚の薄い電極で構成し、電極の配置やロータリージョイント本体の材料を工夫することで、軽量化と高効率化を図った。
生産現場では、スマートファクトリー化を目指して、データ管理、システム制御、モニタリングなどにAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)の導入が進められている。今回の成果が実用化されることで、データ管理から電力供給までの全てがデジタル化できるようになり、スマートファクトリー化の加速に寄与する。
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