経産省と国交省がモビリティDX戦略、「多様なSDV」が日本の武器に車載ソフトウェア(3/4 ページ)

» 2024年05月21日 10時30分 公開
[齊藤由希MONOist]

車両の開発と設計の抜本的な刷新

 SDVに関しては、通信機能やOTA、ビークルOSなどの要素があり、OTAの対象範囲によってさまざまな価値提供が考えられるが、EV(電気自動車)だけでなくエンジン車も含めて全てのパワートレインでSDV化が進むと見込む。さまざまなパワートレインや車両の価格帯で、ソフトウェアのアップデートによる継続的かつスピーディーな新たな付加価値の提供を実現し、多様な市場やユーザーに対応できるSDVの展開や普及を目指す。

SDVが実現する価値と、多様なSDVの形[クリックで拡大] 出所:経済産業省

 プラットフォーム刷新が進むEVや高級セグメントからSDV化が進むと予測する。2030年までにSDVの基盤づくりや実装、新たなビジネスモデルの構築を進め、SDVのグローバル販売に占める日本企業のシェア3割を確保することを目指す。同年のSDVのグローバル販売台数を3500万〜4100万台とした場合、シェア3割は1100万〜1200万台となる。2027年までに開発/実証環境の整備や要素技術の確立などで世界と戦う基盤づくりを進める。

 2035年ごろに向けて、SDVがEV以外のパワートレインや高級セグメント以外の市場に広がり、SDV市場が拡大すると見込む。標準化やスケール化によってビジネスモデルを磨き、日本企業のSDVのグローバル展開をさらに推進する。2035年のSDVのグローバル販売台数を5700万〜6400万台とした場合、日本企業によるシェア3割を維持できれば1700万〜1900万台にSDVの規模が拡大する。

SDV領域での具体的な施策[クリックで拡大] 出所:経済産業省

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