EXソリューションは業界や企業独自の固有知識をセキュアな環境で活用して、アナログ業務の自動化や効率化を目指すソリューションだ。製造業や金融業、流通業、小売業に加えて、地方自治体などさまざまな業界、企業に合わせてチューニングしたtsuzumiを用いて、業務の生産性向上を図る。
例えば自治体の場合、プライベートクラウド上に機密性の高いデータを格納することで、自治体業務向けにチューニングされたtsuzumiが職員の行政窓口における業務負担軽減につながる支援を行えるようになる。医療分野ではインフォームドコンセントの場において医師が使う説明資料や説明動画の作成や、患者への説明のサポートなどが期待できる。
この他にも、生命保険サービスの問い合わせや申し込み手続きの自動化、患者に合わせた治療計画の策定、顧客属性に応じた自動車販売の提案といったユースケースを想定している。
IT運用サポートソリューションは企業内のIT運用や社内ヘルプデスクの業務効率化、高度化を支援するソリューションだ。サイバーセキュリティの分野では、NTTグループが蓄積してきた知見や、顧客の固有のネットワーク環境を学習させたtsuzumiの活用も期待できる。NTT 常務執行役員 研究開発マーケティング本部長の大西佐知子氏は、「サイバー攻撃を自動検知するAIソリューションを用いても、フィルターを逃れてしまう脅威が存在する。こうした新しい脅威への対応方法を、tsuzumiがアドバイスできるようになる」と説明した。
NTTは、tsuzumiのAPIを一部無償で提供する「tsuzumi パートナープログラム」を開始する。ソリューションサービスへの組み込み支援や業界/業務特化モデルの共同開発に関わるパートナー企業は2024年5月から、tsuzumiによるインテグレーション支援を行うパートナー企業は同年9月からそれぞれ募集を開始する。
さらに、tsuzumiの業務適用事例などをユーザー同士で情報交換し合い、ネットワーキング活動を行う「tsuzumi メンバーズフォーラム」を開催する。オンラインでは「tsuzumiメンバーズフォーラム」、オフラインではNTTコミュニケーションズの共創スペース「OPEN HUB for Smart World」などで実施する予定だ。
NTTはtsuzumiのグローバル展開も視野に入れている。NTTデータが提供するソリューションにtsuzumiを組み込み、グローバルに活用可能なデータセンター上で活用できるようにする。さまざまな業界/業種の企業が、多言語かつセキュアな環境でtsuzumiを使える環境を整える。
すでにtsuzumiへの導入相談は500件以上寄せられており、業界別に見ると、最も多いのが製造業からのもので全体の18%を占めている。議事録作成や一般的な業務デジタル化の問い合わせの他、工場での利用やさまざまな開発工程への適用に関して相談が寄せられているようだ。
NTTはtsuzumiのソリューション展開などを通じて2027年までに1000億円の売り上げ創出を計画している。
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