「われわれは主に日本、中国、韓国において、 デジタル、環境、モビリティ業界を中心に多くのソリューション導入の実績を築いてきた。これまで創出した制御アプリケーション採用実績を武器に、欧州、米州でソリューション展開を加速させる。食品、日用品、医療、物流業界でも社会ニーズに伴うモノづくりの変化や人手不足などの背景にオートメーションが進んでいる。制御アプリケーション、コンポーネント、現場データ活用サービス『i-BELT』を業界ニーズに即したソリューションに仕立て、提供していく」(辻永氏)
i-BELTは2023年度の売り上げが前年度比で43%増を見込むなど成長を続けている。「制御機器事業の1つの成長ドライバーとなりつつある。データを用いた課題解決のニーズは高く、(2023年に子会社化した)JMDCの技術、ナレッジの活用により、サービスの質と幅、そしてスピードを高め、さらなる売り上げ拡大につなげる」(辻永氏)
キーコンポーネントの競争力強化に関しては、構造改革期間中に現在20万点ある商品群を絞り込み、開発投資の原資を創出、その原資を成長のカギを握るコンポーネントに投入する。技術本部の開発リソースも利用するという。
全社としては低採算事業の収束/適正化などを含むポートフォリオの最適化、拠点/機能の統廃合などによる固定費生産性の向上、人員数/能力の最適化、マネジメントシステムの進化に取り組む。
固定費生産性の向上では2023年度第3四半期の見通し比で、2025年度までに300億円超の固定費を削減する。人員数/能力の最適化では国内で約1000人、海外で約1000人の計2000人の人員削減を実施する。国内では一部を除く全グループ会社において、2024年7月20日時点で勤続年数3年以上かつ40歳以上の正社員およびシニア社員を対象に、同年4月10日〜5月31日に希望退職者を募集する。
「オムロンは今、まさに変革期を迎えている。この構造改革プログラムは山積された課題、この先に直面するであろう課題を見つめ直し、抜本的な改革を進めるためのものだ。短期的には痛みを伴うものもあるが、定めた施策を完遂し、新たな価値創造へつなげていくことで、より力強い企業へと成長することができる」(辻永氏)
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