レゾナックの2023年通期業績は減収減益、HDメディア事業の業績不振が影響製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

レゾナック・ホールディングスは、オンラインで記者会見を開き、2023年通期決算と2024年12月期通期業績の見通しを発表した。2023年通期の売上高は前年比7.4%減の1兆2889億円で、営業利益は同106%減の38億円と減収減益となった。減益の大部分は、市況悪化の影響を強く受けた半導体/電子材料セグメントの減益が占めた。

» 2024年02月19日 08時30分 公開
[遠藤和宏MONOist]

 レゾナック・ホールディングスは2023年2月14日、オンラインで記者会見を開き、2023年通期(1〜12月)決算と2024年12月期通期業績の見通しを発表した。

2023年第1四半期を底に業績はボトムアウト

 2023年通期の売上高は前年比7.4%減の1兆2889億円で、営業利益は同106%減の38億円と減収減益となった。減益の大部分は、市況悪化の影響を強く受けた半導体/電子材料セグメントの減益が占め、事業環境の悪化が深刻だったHDメディア事業については黒字化に向けた構造改革を完遂している。同社 取締役 常務執行役員 最高財務責任者(CFO)の染宮秀樹氏は「2023年第1四半期(1〜3月)を底に業績はボトムアウトしつつある」と話す。

2023年通期決算の概要 2023年通期決算の概要[クリックで拡大] 出所:レゾナック・ホールディングス

 セグメント別では、半導体/電子材料セグメントの売上高は同20.8%減の3381億円で、営業利益は同120%減の94億円の減益となった。前年後半からの半導体市場の低迷により半導体の前工程材料および後工程材料の売上高が減収を記録した。デバイスソリューションでは、SiCエピタキシャルウェハーの売上高が増収となったものの、HDメディアの売上高が前年第4四半期からのデータセンター向け需要の低迷が継続したことで販売数量が減少し大幅な減収となった。染宮氏は「半導体/電子材料セグメントの減益の半分はHDメディア事業の減益が占めている」と語った。

半導体/電子材料セグメントのサマリー 半導体/電子材料セグメントのサマリー[クリックで拡大] 出所:レゾナック・ホールディングス

 モビリティセグメントの売上高は同0.8%減の1790億円で、営業利益は同371%増の19億円となった。自動車部品の売上高に関しては、前年のISOLITE事業の譲渡による約100億円の減収を、自動車生産の回復や新規車種向け製品の立ち上げによる数量増で補い増収となった。リチウムイオン電池材料の売上高は民生需要減速の影響で減収だった。

モビリティセグメントのサマリー モビリティセグメント[クリックで拡大] 出所:レゾナック・ホールディングス

 イノベーション材料セグメントの売上高は同7.7%減の1301億円で、営業利益は同11.8%増の113億円となった。イノベーション材料の販売数量は減少したものの、原材料価格高騰に伴い製品販売価格が上昇し、減収増益を記録した。

イノベーション材料セグメントのサマリー イノベーション材料セグメントのサマリー[クリックで拡大] 出所:レゾナック・ホールディングス
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