くら寿司、日揮ホールディングスらは、くら寿司の国内全店舗から出る廃食用油を持続可能な航空燃料であるSAF原料に活用することを目的に、廃食用油の継続的な供給、利用に関する基本合意書を締結した。
くら寿司、日揮ホールディングス(日揮)、レボインターナショナル、SAFFAIRE SKY ENERGYは2023年12月12日、くら寿司の国内全店舗から出る廃食用油を持続可能な航空燃料であるSAF(Sustainable Aviation Fuel)の原料に活用することを目的に、廃食用油の継続的な供給、利用に関する基本合意書を締結したと発表した。
各社の役割に関して、日揮は同廃食用油を利用する国産SAF製造事業におけるサプライチェーン全体の構築をマネジメントする。この取り組みによるCO2削減量は年間約870トン(t)と見込む。
くら寿司は、国内約540店舗で生じる廃食用油をSAF原料としてレボインターナショナルに供給する。供給量は年間約37万8000リットルを計画。レボインターナショナルは、集めた廃食用油を、SAF製造装置を持つSAFFAIRE SKY ENERGYに供給する役割を担う。
SAFFAIRE SKY ENERGYは、同廃食用油を原料としてSAFを製造。現在、日本初の大規模国産SAF生産プラントを大阪府堺市に建設中で、2024年後半の7〜12月から2025年初にかけての生産開始を計画している。SAFの生産量は、年間約32万リットル(l)を見込む。
日揮とレボインターナショナルは、コスモ石油と共同で廃食用油の回収からSAFの製造、輸送、供給までのサプライチェーン全体構築を目指して事業化の検討を進め、2022年に新たにSAFFAIRE SKY ENERGYを設立。国産の廃食用油のみを原料とした年間約3万キロリットル(kl)のSAFを供給することを目標としている。
くら寿司は、国内資源循環による脱炭素社会実現を目的とする「Fry to Fly Project」にも参画。単独では達成が難しかった食を通じた脱炭素への貢献が、この度の4社協業により可能となった。
SAFは廃食用油などを原料とした航空燃料で、既存の航空燃料と比べCO2排出量を大きく削減することが可能な燃料だ。航空機は自動車などとは異なり、電気や水素などの燃料では代替が難しいことから、SAFのニーズが世界で高まっている。
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