さらに、クマー氏はR&Dにも注力しているとし、生物学に基づくモデリング(BioFounded Modeling)をはじめとする新しい設計の方向性に関する研究開発に取り組んだり、AI活用のさらなる可能性について追究したりなど、将来に向けた投資も積極的に行っているという。
基調講演ではAIを活用した先進的な取り組みとして、3Dスキャンした点群をパラメトリック設計に変換する機能や、自動車開発向けのコスト予測ツール、さらに居住空間の3Dバーチャルプランニングが行える「HomeByMe」およびオリジナル家具のデザインに特化した「MakeByMe」などを取り上げた。
MakeByMeに関してはリリースから約2年経過しており、その間に多くの家具がMakeByMeによって設計されているという。基調講演ではユーザーが作成した膨大な設計データをAIに学習させることで実現したブックシェルフ(本棚)の自動設計アプローチを紹介し、与えられたスペースに対してきれいに収まる本棚がAIで自動生成される様子を示した。
なお、MakeByMeのAI自動設計のアプローチに関連して、プレスラウンドテーブルの席で「将来『ChatGPT』のように3D CADと対話しながら設計のアウトプットが自動生成される世界は来るのか?」とクマー氏に質問を投げ掛けてみたところ、次のような回答を得た。
「答えは『イエス』だ。ただ、現段階でどこまで話してよいか具体的に回答するのが難しい。例えば、従来設計が完了していないと作成できなかったフォトリアリスティックなレンダリングイメージを、設計が完了する前にAIで瞬時に生成して消費者からのフィードバックを得るといったことが可能になる。これは非常に小さな例えだが、われわれは今話すことができない非常に多くの素晴らしい取り組みに着手している」(クマー氏)
残念ながら具体的な機能などの話は聞けなかったが、2024年2月11〜14日(現地時間)に米国テキサス州ダラスで開催される「3DEXPERIENCE World 2024」ではもう少し踏み込んだ話題が出てくるかもしれない。
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