吸音材と遮音材を使ったら騒音を何デシベル低減できる?CAEと計測技術を使った振動・騒音対策(19)(4/5 ページ)

» 2023年11月21日 09時00分 公開

 箱の中の音のエネルギーを求めるには式15式17がありますが、式17を使いましょう。

 残響室中に音源があり、拡散音場となっているときの音のエネルギー密度と音源の出力の関係は次式となります(参考文献[1])。

式18 式18

 式18式17に代入します。

式19 式19

 等価損失TLの定義を以下に記します。

式20 式20

 箱の外側表面から部屋の中に放射される音のエネルギーは次式となります。

式21 式21

 箱の吸音力Aを導入します。吸音力は面積と吸音率の積なので上式は以下となります。

式22 式22

 箱の音響出力は以下となります。

式23 式23

 作業者が感じる音圧実効値の二乗は連載第17回式25のQ=2の場合で次式となります。

式24 式24

 作業者が感じる音圧レベルは、式24式23を代入して次式となります。

式25 式25[クリックで拡大]

 Aは箱の中の吸音力で次式でした。

式26 式26

 R2は部屋定数で次式でした。

式27 式27

 式25式26式27を代入します。

式28 式28[クリックで拡大]

 これで、作業者が感じる音圧レベルを予測できます。2つの吸音率α1、α2と等価損失TLがあるので、Excelに式28を代入して、吸音率と等価損失をいろいろと変えてみて、コスパの良い組み合わせを選ぶことで、騒音対策の最適化ができると思います。

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