いすゞ自動車は2025年度から、三菱ふそうトラック・バスは2024年初めから、ジャパンモビリティショーで披露したバッテリー交換ステーションの実証実験を開始する。物流などの企業に実際に使ってもらいながら改善点や課題を洗い出す。
いすゞ自動車はバッテリー交換ステーションを内製で試作した。単独での量産化は難しいとしており、本格的な展開に当たっては協力企業を探す必要がある。技術的に難しかったのは、ステーションでの停車位置のズレに対応するため、カメラなどのセンサーで車両側のバッテリーの位置を検出して交換作業の位置を合わせるところだという。
三菱ふそうトラック・バスは、米国のアンプル(Ample)が手掛けるバッテリー交換ステーションとバッテリーを採用した。アンプルのバッテリー交換ステーションは米国でタクシー向けに稼働するなど実績があり、技術的には完成している。日本ではENEOSホールディングスがアンプルに出資しており、三菱ふそうトラック・バスを含めた3社で展開を検討する。
物流企業でEVへの関心は高まっているが、充電への懸念も抱えている。バッテリー交換式がトラックのEV化で本命になるのか。いすゞ自動車の説明員は「まだ分からない」、三菱ふそうトラック・バスの説明員は「主流になるのは難しいかもしれない」と答えた。充電でのダウンタイムがなくなるのは明確なメリットではあるが、まだ市場のニーズの有無が分かっていないようだ。
「充電の1時間が惜しいということであれば、交換式バッテリーなら5分でまた走り出すことができるが、バッテリー交換ステーションを設置する必要がある。バッテリー交換ステーションを導入してでもダウンタイムを減らしたいかどうかだ」(三菱ふそうトラック・バスの説明員)
電動バイクの交換式バッテリーでは、国内の二輪車メーカー4社が共通仕様を採用。どのメーカーのバイクでも同じバッテリーを使えるようにした。また、ENEOSホールディングスと二輪車メーカー4社の共同出資でバッテリー交換ステーションを整備する会社も立ち上げた。トラックの交換式バッテリーも二輪車と同じように協力に進めるかどうか、注目だ。
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