電子材料の宇宙環境耐久性を評価する宇宙暴露実験の1次評価結果を発表材料技術

パナソニック インダストリーは、同社の電子材料の宇宙環境耐久性を評価する宇宙暴露実験について、1次評価の結果を発表した。実験サンプルを約2カ月間、宇宙空間にさらし、材料特性の変化を調べた。

» 2023年10月31日 11時00分 公開
[MONOist]

 パナソニック インダストリーは2023年10月12日、同社の電子材料の宇宙環境耐久性を評価する宇宙暴露実験について、1次評価の結果を発表した。

 同社は同年3月から約2カ月間、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」の船外実験プラットフォーム上で、低伝送損失多層基板材料「MEGTRON」シリーズをはじめとする10種類の製品を重ね合わせた実験サンプルを宇宙空間にさらした。

キャプション (左)宇宙曝露実験前後のサンプル、(中)宇宙曝露実験サンプルの内訳、(右)宇宙曝露実験における実験サンプルの設置場所[クリックで拡大] 出所:パナソニック インダストリー

 回収したサンプルが地球に帰還した後、材料特性が変化したかを調べた。その結果、全てのサンプルは曝露前後で色調や電子顕微鏡画像に変化はなく、宇宙空間でも製品の外観を保てることが示された。

キャプション 「MEGTRON6 R-5775(K)」の外観写真 出所:パナソニック インダストリー
キャプション 「MEGTRON6 R-5775(K)」表面の電子顕微鏡画像(倍率3000倍)。実験前(左)と実験後(右)で変化なし[クリックで拡大] 出所:パナソニック インダストリー

 また、比誘電率(Dk)と誘電正接(Df)の比較でも、暴露前後で変化はなく、サンプルが実験前と同等の電気特性を保持していることが明らかとなった。

キャプション 「MEGTRON6 R-5775(K)」の電気特性。実験前後で変化なし[クリックで拡大] 出所:パナソニック インダストリー

 フーリエ変換赤外線分光法(FT-IR)による解析からは、サンプルのスペクトルが宇宙環境の影響を受けていないことが確認できた。

キャプション 「MEGTRON6 R-5775(K)」をFT-IRにて解析。実験の前後でスペクトルに変化なし 出所:パナソニック インダストリー

 宇宙環境では、地上とは比較にならない量の宇宙放射線や紫外線にさらされ、微小重力、高真空、大きな温度差が生じる。こうした過酷な宇宙環境での実験を通じて、同社は製品の品質や耐久性の高さが実証されたとしている。今後、2023年度末までに、2次評価として熱分析や断面観察などの解析を進める。

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