パナソニック くらしアプライアンス社は、パナソニック エコテクノロジー関東とともに、使用済みエアコンの解体作業の効率化を目指し、「エアコン室外機フロン自動回収実証システム」を開発したと発表した。
パナソニック くらしアプライアンス社は2025年5月29日、パナソニック エコテクノロジー関東とともに、使用済みエアコンの解体作業の効率化を目指し、「エアコン室外機フロン自動回収実証システム」を開発したと発表した。
両社は同日、茨城県稲敷市にあるパナソニック エコテクノロジー関東の資源循環棟と再商品化棟で同システムの記者説明会と見学会を開いた。パナソニック くらしアプライアンス社の調べによれば、エアコン室外機向けフロン自動回収実証システムの開発はリサイクル業界初だ。
国内では、家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)の対象となる使用済み家電製品のうち、家庭用エアコン、冷蔵庫/冷凍庫、洗濯機(ヒートポンプ機能付き)には、搭載されているフロンガスの回収と適正な処理が義務付けられている。構造が異なるさまざまな機種からフロンガスを回収するためには、高度な技術や経験が必要だ。
フロンガスを搭載している製品の中でもエアコンは回収率が上昇傾向にあり、処理台数は増加している。経済産業省の調べによれば、2019年度における国内のエアコン回収率は37.9%だ。同省では2030年度に国内のエアコン回収率を53.9%以上とする目標も掲げている。国内では労働人口の減少も予想されているため、フロンガス回収の効率化が求められている。
一方、パナソニック エコテクノロジー関東の再商品化棟では、エアコン室外機の自動解体技術や室内機の簡易解体技術は実用化段階にあったが、室外機のフロンガス回収工程は手作業で行っていた。そこで、同社はパナソニック くらしアプライアンス社とともにエアコン室外機フロン自動回収実証システムを開発し、再商品化棟に導入した。
同システムを用いたフロンガス回収の手順は以下の通りだ。まず室外機を投入する。次に室外機のフロンガスタンクのバルブ(弁)を開閉する継手を検出した後、このバルブとフロンガス回収タンクのノズルをつなぐ回収カプラを取り付ける。続いて、センサーなどでフロンガスのリーク(漏れ)チェックを行う。その後、バルブを開き回収機でフロンガスを抽出しタンクにためる。最後にバルブを閉めて、カプラを取り外し、室外機を排出する。
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