続いて、最終消費支出の規模と変化について見てみましょう。まずは、家計最終消費支出です。より身近な数値で見てもらいたいので、1人当たりの水準でならしてみましょうか。
横軸が1997年から2019年の変化量で、2019年時点の最終消費支出額を表しているんですね。
住宅・電気・ガス・水道が圧倒的な存在感ですね! 縦軸の数値で見ると金額が60万円程度と大きく、なおかつ期間中に15万円以上増えています。
次いで食品・非アルコール、交通、個別ケア・社会保護・その他の金額が多いですね。情報・通信の金額はそれほど多くありませんが、変化量が大きいようです。
なるほど。逆に消費が減っている項目も結構あるようです。被覆・履物、娯楽・スポーツ・文化、アルコール飲料・たばこなど、どちらかというと嗜好品や生活をより豊かにする支出ですね。
そうですね、逆に支出が増えているのは生活に必須な支出ばかりです。可処分所得が目減りする中で、生活を送る上で増やさざるを得ない項目は支出を増やし、その代わり、ぜいたく品などの支出を抑えているようにも見受けられます。
もう一方の政府の支出はどうでしょうか?
また極端なグラフが出てきましたね!
圧倒的なのは保健です。次に大きく支出が増えているのが社会保護ですね。その他の項目は、教育、経済業務、一般公共サービスの金額が多いようですが、ほとんど変化がないようです。一般公共サービスや環境保護はむしろ減少していますね。
当然ですが、政府最終消費支出の便益を受けるのは国民ですね。政府最終消費支出の多くは、直接的、間接的に国民(家計)が受け取る消費となり、政府がお金を出して支出しているという形になっているわけです。
例えば身近なところでは、医療費の自己負担分以外の費用なんかをイメージすると良いと思います。これは保健の項目に含まれる支出ですね。
それが1人当たり60万円近くの支出となっているわけですね!
こういった個人の消費となる項目は個別消費支出と呼ばれます。一方、地域開発や防衛、環境保護など国民全体に貢献する項目は集合消費支出です。
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