1軸アクチュエーターのいろいろな部品が弾性変形した状態を図14に示します。ボールナットは上向きの推力を発生するので、その反力はボールねじとアンギュラベアリングに作用します。ボールナットとアンギュラベアリング内のボールは変形し、ボールねじも細ければ縮みと同時にねじり変形が生じます。ステージの重心が推力の作用線上にないときは、ステージに発生する慣性力がモーメント荷重となりLMガイド内のボールも弾性変形します。
図14を見ると、エンコーダーはモーターのお尻に付いているので、エンコーダーから先は弾性変形するものと慣性力が発生する質量となります。この状態をフィードバック系で表現すると図15になります。
では、OpenModelicaを使って挙動をシミュレートしましょう。図16に位置の時間変化を示します。ゲインG1は0.35[-]です。
発振しました。このとき、図16の位置がばねから先の質量の位置ではなく、ロータリーエンコーダーの回転角であることに注目してください。ばねの伸縮による振動ではなく、フィードバック系が振動しています。仕方がありません。ゲインを下げましょう。これを図17に示します。
黄色の線はゲインを0.05[-]まで下げたものです。まだ振動成分が残っていますが、このあたりが妥協点のようです。位置決めに要する時間は100[s]くらいとなりました。
次に、ばね定数を上げてシミュレートします。ばね定数を上げてゲインを調整した結果を図18に示します。
ばね定数を10倍とすると、ゲインを4倍にできました。位置決めに要する時間は20[s]くらいです。以上の考察から次のことがいえます。
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