ニデックは、工作機械メーカーであるTAKISAWAの株式公開買い付け(TOB)を開始することを発表した。TAKISAWAも同日、経営陣がこの買収に賛同し、公開買付けへの応募を推奨することを発表している。
ニデックは2023年9月13日、工作機械メーカーであるTAKISAWA(旧名:滝澤鉄工所)の株式公開買い付け(TOB)を開始することを発表した。TAKISAWAも同日、経営陣がこの買収に賛同し、公開買付けへの応募を推奨することを発表している。
ニデックは2023年7月13日にTAKISAWAのTOBによる買収を発表。TAKISAWAの取締役会の判断によらずに強行する姿勢を示していた。その発表後、TAKISAWAは、取締役会と外部アドバイザーおよび独立社外取締役による特別委員会で検討を進め「企業価値の観点」「株主共同の利益の観点」から総合的にプラスになると判断できたことから、あらためてニデックの買収提案に賛同し、株主に対してもTOB応募を推奨することを決めた。
企業価値の面では、売り上げ面でニデックグループ入りすることでアプローチ可能な顧客層が拡大すること、ニデックグループとの取引が拡大することなどがある他、コスト面では共同購買による仕入れ原価の低下、物流網の効率化、生産機能の効率化などでプラスの効果があるとする。一方で、ニデックグループに入ることでニデックグループと競合する顧客企業との取引が減少するマイナス効果が想定されるが、総合的にはプラスの方が多いと判断した。
今後は2023年9月14日〜10月27日の公開買い付け期間を経て、スクイーズアウト手続きにより2024年2月頃までをめどに、ニデックがTAKISAWAの全株式を取得する計画だ。
ニデックは「世界一の工作機機械メーカーグループになる」という目標を掲げ、工作機械メーカーの買収を進めている。2021年に三菱重工工作機械(現:ニデックマシンツール)、2022年にOKK(現:ニデックオーケーケー)、2023年にイタリアのPAMAを買収している。こうした動きに合わせ、他の工作機械メーカーも含めた業界再編の動きが加速しており、2023年9月6日にはDMG森精機が倉敷機械を株式譲渡による取得を発表するなどあわただしい状況が続いている。
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