シミュレーションによる時刻歴応答解析を理解するCAEと計測技術を使った振動・騒音対策(13)(1/5 ページ)

“解析専任者に連絡する前に設計者がやるべきこと”を主眼に置き、CAEと計測技術を用いた振動・騒音対策の考え方やその手順を解説する連載。連載第13回では「シミュレーションによる時刻歴応答解析」について紹介する。

» 2023年08月28日 09時00分 公開

 今回はシミュレーションによる振動解析から「時刻歴応答解析」を取り上げます。

 シミュレーションによる「モーダル解析」では、対象の構造物が将来、共振状態になるかどうかを予測できただけで、いくつか表示される振動形状のうち、実際のところどの形状で振動しているかが分かりませんでした。

 これに対し、今回紹介する時刻歴応答解析は、機械を動かしたときの振動変位や振動形状だけでなく、設計を変更したときの振動低減量も予測できます。また、今後説明する予定ですが、機械の性能を上げるための指針を得ることも可能です。

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モチーフとなる機械

 図1に今回のモチーフとなる機械を示します。リニアアクチュエーター、ステージ、プレート、フレーム、脚、コラム、加工点などから構成されています。ステージの上に将来商品となる製品の部品が載っています。

モチーフとなる機械 図1 モチーフとなる機械[クリックで拡大]

 リニアアクチュエーターは、おねじ側をモーターで回すことによって、めねじ側が直線運動することを利用した直線運動を作り出すユニットで、X軸リニアアクチュエーターと、Y軸リニアアクチュエーターを組み合わせて「XYステージ」あるいは「XYテーブル」などと呼ばれています。

 ねじの部分はボールねじが使われることが多く、モーターはサーボモーターやステッピングモーターが使われます。リニアモーターといって、ねじを使わずに直接/直線運動を作り出すものもあります。

 XYステージの動作を図2に示します。親亀の上には子亀が載っているのが常なので、X軸駆動をさせたときはY軸アクチュエーターとステージがX方向に移動することになります。θ軸(孫亀)といって、Y軸アクチュエーターの上にステージを回転させるアクチュエーターを載せることもあります。孫亀を載せると全体の動きが鈍くなるため、筆者はX軸とY軸をうまく協調動作させることでθ軸をなくすような設計をした経験があります。

XYステージの動作 図2 XYステージの動作[クリックで拡大]

 加工点は部品に何らかの加工をするユニットです。連載第1回では、ディスペンサーで接着剤を塗るユニットを取り上げました。レーザー光が部品を加工するような例もあります。どこの工場でも見掛ける「あるあるメカ」でしょう。

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