住友ゴムがタイヤセンシング技術を2024年に発売、米国企業と故障予知サービスも開発材料技術(4/4 ページ)

» 2023年08月10日 10時30分 公開
[遠藤和宏MONOist]
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2023年12月期上期の決算

全事業で増益

 2023年12月期上期の売上高は前年同期比10%増の5612億円で、事業利益は同20%増の171億円、営業利益は同34%増の168億円、四半期利益は同52%減の82憶円となった。山本氏は「2023年12月期上期の環境に関して、物価上昇やウクライナ情勢の影響により経済環境が緩やかに減速している状況が続いた。国内経済では賃金上昇を追い風に回復への期待が続くも、為替や物価動向などで不確実性が高かった。当社では、エネルギーコスト高騰の影響や半導体不足による自動車生産台数の減少影響は継続している。一方、海外輸送コストは対前比で大きく低下し、原材料価格の上昇にも一服感がみられる」と話す。

2023年1〜6月連結業績[クリックで拡大] 出所:住友ゴム工業

 セグメント別では、タイヤ事業は、国内市販用では冬タイヤの販売好調で、夏タイヤも前年並みを維持し対前年同期比で増販となった。国内新車用は、自動車メーカーの減産影響が続くも、対前年で増販だった。海外市販用は、主力商品は好調も、不採算製品の販売取りやめなどもあり前年割れとなった。海外新車用は主に中国での日系OEM販売の低迷が影響したが、対前年で増販だった。これらの要因により、タイヤ事業の売上高は前年同期比9%増の4711億円で、事業利益は同27%増の98億円と増収増益となった。

 スポーツ用品事業は、ゴルフ用品事業が北米/韓国を中心に販売好調を維持し増収となり、第1四半期(2023年1月1日〜3月31日)に発売した新商品や販売中の商品も好調に推移した。この結果、スポーツ用品事業の売上高は対前年同期比11%増の681億円で、事業利益は同4%増の64億円と増収増益となった。

 産業品他事業は、使い捨てゴム手袋やOA機器用ゴム部品の需要減少の影響を受けたが、医療用ゴム製品事業とインフラ事業により対前年同期比で増収した。これらの要因により、産業品他事業の売上高は対前年同期比11%増の219憶円で、営業利益は同181%増の9億円となった。「(2023年12月期第2四半期)全事業で増収増益となった」(山本氏)。増益の要因は海外運賃の下落や製品の値上げなどによる効果としている。

2023年1〜6月連結業績のセグメント別連結売上収益/事業利益[クリックで拡大] 出所:住友ゴム工業
2023年1〜6月の連結事業利益増減要因イメージ[クリックで拡大] 出所:住友ゴム工業

 2023年12月期通期見通しでは、売上高を前年度比6%増の1兆1700億円、、事業利益を同128%増の500億円、営業利益を同174%増の410億円に上方修正した。セグメント別では、タイヤ事業は売上高を同6%増の1兆10億円、事業利益を同217%増の390億円と予想している他、スポーツ事業は売上高を同7%増の1245億円、事業利益を同12%増の100億円と予想している。産業品他事業は、売上高を同6%増の445億円、事業利益を同41%増の10億円と予想した。なお、2023年末のタイヤ生産能力は年初の予想から変更なく同1.3%増の月産6万9930トン(t)になる見込みだ。

2023年度の連結業績予想[クリックで拡大] 出所:住友ゴム工業
2023年度セグメント別の連結売上収益/事業利益予想[クリックで拡大] 出所:住友ゴム工業

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