東レは、「nano tech 2026 第25回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」で、「CFRPハイブリッド接合技術」や超軽量構造材料「TORAYCA CFRF」、複合紡糸技術「NANODESIGN」を紹介した。
東レは、「nano tech 2026 第25回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」(会期:2026年1月28〜30日、会場:東京ビッグサイト)に出展し、「CFRPハイブリッド接合技術」や超軽量構造材料「TORAYCA CFRF」、複合紡糸技術「NANODESIGN」を紹介した。
航空機などの分野において、優れた材料特性および長年の使用実績から、構造部材には熱硬化性炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が広く適用されている。近年、小型部品や複雑な形状の部材の需要増加に伴い、高レート生産に好適かつ形状自由度が高い、熱可塑性CFRPの適用が広がりつつある。
今後は、これら2つの材料を適材適所で組み合わせることで、性能と生産性を両立した機体の開発が期待されている。一方、熱硬化性CFRPと熱可塑性CFRPの接合で従来用いられてきた接着剤接合やボルトファスナー接合では、接着の信頼性や煩雑な工程が課題となっており、信頼性の高い高速接合技術が求められている。
そこで東レは、長年蓄積してきたCFRP用の中間基材(プリプレグ)の製造およびCFRP成形加工の知見を活用し、熱硬化性CFRPと熱可塑性CFRPの新規熱溶着接合技術としてCFRPハイブリッド接合技術を開発した。
CFRPハイブリッド接合技術は、一般的に接合が困難な熱硬化性CFRP同士を、溶接のように高速/高強度で接合できる。熱可塑性CFRPや金属と熱硬化性CFRPのマルチマテリアル構造の実現に貢献する。
同社の説明員は「CFRPハイブリッド接合技術は、熱硬化性CFRPの表面に、独自の熱可塑性樹脂溶着層を配置することで、熱するだけで金属や熱硬化性CFRP、熱可塑性CFRPを接合できる。これにより、一体成形品に近い30MPaという高い接合強度を実現可能だ。航空機製造では、数万本のボルト打ちや接着工程がボトルネックになっているが、この技術なら一瞬で溶着できるため、生産速度がアップする」と語った。
同社では、CFRPハイブリッド接合技術により、従来の接着剤接合を上回る接合強度を実現するとともに、航空機模擬構造体の接合時間を、従来の接着剤接合やボルトファスナー接合と比べて3分の1以下に短縮することに成功した。
この技術の適用により、ボルトファスナーの削減に伴う重量低減が可能となり、機体の軽量化に貢献する。今後は、航空機関連メーカーとの連携で、社会実装に向けた取り組みを加速していく考えだ。用途としては、航空機/宇宙、モビリティ、スポーツが想定されている。
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