アマダは鍛圧機械の国際展示会「MF-TOKYO 2023 第7回プレス・板金・フォーミング展」において、自社開発の自律型搬送ロボット「AMTES 500」を参考出展した。発売は2024年を予定している。
アマダは鍛圧機械の国際展示会「MF-TOKYO 2023 第7回プレス・板金・フォーミング展」(2023年7月12〜15日、東京ビッグサイト)において、参考出展として自社開発の自律型搬送ロボット「AMTES 500」を国内外で初めて披露した。発売は2024年を予定している。
これまでアマダはレーザー加工やベンディング、溶接などにおいて各工程の自動化を推進してきたが、工程間のワークの搬送は台車に載せて押したり、フォークリフトで運んだりと人手が必要になっていた。
AMTES(Autonomous Mobile Transportation Engineering System)はこれら板金加工における工程間搬送の自動化および工場の生産性向上を目的にアマダが独自に開発した。自動化によって搬送ミスを防止する他、必要な部品を探す手間や時間を削減する。これまで作業者は加工順に移動していたが、それらが不要になるため工場内の流れやレイアウトもより効率的に設計できるようになる。
現状の本体サイズは1095×800×290mmで、最高速度は毎分60m、ワーク搬送時の最高速度毎分30mとなっている。積載重量は500kgまで。リチウムイオン電池を搭載しており、使用条件にもよるが満充電の状態で3時間30分ほど稼働できるという。ステーションでワイヤレス充電を行い、空の状態から約50分で満充電にできる。
前後の対角にLiDAR(Light Detection And Ranging)を搭載しており、自己位置推定と周辺地図の作成を行うSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)によって走行する。磁気テープやQRコードなどは不要だ。ルート上に障害物があった場合は、通路幅が迂回可能なら迂回を図り、通路幅が足りなければ一時停止する。複数台制御も可能となっている。
工場床の粉じんなどがタイヤに付着して走行性能が低下するのを防ぐためブラシが付いている他、15mmまでの段差は乗り越えることができるという。
ブースではレーザーマシンとベンディングマシンの工程間などでAMTESがパレットを搬送。テークアウトローダー「TK3015L」と連携し、シャッターの手前で停止、シャッターが上がると装置内に進入して台の下に潜り込み、ワークが載った1100×1100mmのパレットを持ち上げて搬送を行う様子などを披露した。
「人手不足が課題となる中で、工程間搬送を自動化する構想は以前からあった。他社製品を活用する選択肢もあったが、ノウハウを自社内に蓄積するために独自開発した。構想なども含めると3年ほどを要した。将来的にラインアップを広げたいが、まずは可搬重量500kgのモデルを投入する」(アマダ 説明員)
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