イオングループのデジタルシフトを象徴する物流拠点「誉田CFC」は何がすごいのか：物流のスマート化（2/3 ページ）

[朴尚洙，MONOist]

1000台のロボットが行き交う自動倉庫で5万SKUの商品を管理

　Green Beansの中核を担う自動倉庫である誉田CFCには、英国オカド（Ocado Group）が20年間積み重ねてきたロボティクスやAI（人工知能）などのデジタル技術が組み込まれている。

誉田CFCの外観［クリックで拡大］ 出所：イオンネクスト

　誉田CFCは、生鮮食品や加工食品、日用品など最大5万SKUの商品を、常温、冷蔵、冷凍という3つの温度帯に分けた管理を徹底している。物流プロセスとしては、入荷時の専用コンテナへの移し替え、自動倉庫への格納、自動倉庫からの取り出し、配送に向けたピッキングステーションでの商品仕分け、専用トラックへの積み込みに分かれている。

　まず入荷時は、トラックから入荷（デカント）ステーションへの商品搬送にはトヨタL&F製のAGV（無人搬送車）「キーカート」を用いている。各入荷ステーションでは、担当者が段ボール箱などに梱包された商品を荷解きして専用コンテナ（ハブトート）に移し替えて自動倉庫に送り出す。

AGVの「キーカート」を用いて入荷ステーションへの商品の搬送を行う［クリックで拡大］ 出所：イオンネクスト

入荷ステーションで専用コンテナへの商品の移し替えを行う様子。写真の左上に上方に向けて設置されている緑色の設備に専用コンテナを自動倉庫に移動させる昇降機がある。その手前にある青色のレーンでは、段ボール箱などのごみを収集する［クリックで拡大］ 出所：イオンネクスト

　自動倉庫は、一番上側にある格子状の走行用レールをロボットが移動し、各格子の下方に専用コンテナを格納／取り出しする方式を採用している。入荷ステーションから送られた専用コンテナはロボットが格納することになる。

自動倉庫のロボット。一番上側にある格子状の走行用レールを移動する［クリックで拡大］ 出所：イオンネクスト

　なお自動倉庫は、常温と冷蔵、2つの温度帯に分けて運用されている。最大約5万SKUの商品を取り扱う際には、常温側で約600台、冷蔵側で約300台、全体で約1000台のロボットを用いることになる。

冷凍の温度帯の商品についてはロボットを用いた自動倉庫での商品管理は行っていない［クリックで拡大］ 出所：イオンネクスト