JFEスチールの高圧水素輸送用ラインパイプ材の特性評価に関する研究開発が、「海洋石油・天然ガスに係る日本財団とDeepStarの連携技術開発助成プログラム」に採択された。パイプライン材料の評価基準の確立を図る。
JFEスチールは2023年6月21日、電縫鋼管「マイティーシーム」を用いた高圧水素輸送用ラインパイプ材の特性評価に関する研究開発が、「海洋石油・天然ガスに係る日本財団とDeepStarの連携技術開発助成プログラム」に採択されたと発表した。
マイティーシームは、鋼帯を円筒状に成形し、接続部を電気抵抗溶接によって接合した電縫鋼管。溶接部の品質を高めることにより、寒冷地などでも使用が可能だ。
研究開発は、海洋技術開発の国際コンソーシアムDeepStarメンバーのExxonMobil、TotalEnergiesと連携して進める。千葉地区にある同社のスチール研究所において、高圧水素パイプラインに必要な特性の研究や、高圧水素環境試験での性能評価を実施し、高圧水素輸送向けパイプラインの実用化を目指す。
クリーンエネルギーとして利活用が進む水素の本格普及には、水素供給インフラの整備が課題となっている。大量の水素を安定的に輸送するため、パイプラインの利用が検討されているが、水素には鋼材をもろくする性質があり、パイプライン材料などの安全基準や品質調査のための材料特性評価法の整備が求められている。
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