オリックス・レンテックは「日本ものづくりワールド 2023」に出展し、国内販売/レンタルを開始したばかりのBLTの金属3Dプリンタによる造形サンプルや、造形シミュレーションやコスト試算が可能な新サービス「3D-FABs」などを訴求していた。
オリックス・レンテックは「日本ものづくりワールド 2023」(2023年6月21〜23日、東京ビッグサイト)内の「第6回 次世代3Dプリンタ展(AM Japan)」に出展し、同年6月20日に販売/レンタル開始を発表したばかりのXi'an Bright Laser Technologies(以下、BLT)の金属3Dプリンタによる造形サンプルや、同年5月23日に提供開始した新サービス「3D-FABs」などを訴求していた。
BLTは中国の金属3Dプリンタメーカーで、航空機部品や自動車部品などの大型造形が可能な金属3Dプリンタの開発を強みとし、装置の製造および販売を行っている。さらに、自社で340台もの金属3Dプリンタを保有しており、Airbus(エアバス)の航空機部品の受託造形を担うなど、技術力の高さにも定評があるという。
「BLTはアジアで唯一のAirbus認証量産金属AM(アディティブマニュファクチャリング)最終部品製造サプライヤーだ。金属3Dプリンタのラインアップも研究開発用の小型機から航空宇宙向けの大型機まで幅広く取りそろえている。一般的に金属3Dプリンタは非常に高額な装置といわれているが、BLTの金属3Dプリンタは価格競争力が高い」(説明員)
今回、オリックス・レンテックはBLTの3Dプリンタの国内販売権を取得し、販売、レンタルに加えて、保守サポートも展開する他、「3Dプリンター出力サービス」の製造拠点(東京・町田市)において、操作トレーニングや造形手法のレクチャーを行いながら、3Dプリンタ導入をトータルでサポートするとしている。
航空宇宙グレードの造形や純銅材料の造形も可能な主力モデル「BLT-S310/S320」の場合、最大造形サイズが250×250×400mm、積層厚が0.02〜0.1mmで、ステンレス、アルミ合金、銅合金、コバルトクロム合金、チタン合金などの材料に対応する。
オリックス・レンテックのブースでは、タイヤ用金型や熱交換器、EV(電気自動車)向けパーツ、ジェネレーティブデザインを適用した自動車パーツなど、BLTの金属3Dプリンタで造形した数多くのサンプルが展示されていた。
さらに、新サービスとしてローンチしたばかりの3D-FABsも来場者の注目を集めていた。3D-FABsは、3Dプリンタを保有していなくても、手持ちの3Dデータを用いてWebブラウザ上で3Dプリントのシミュレーションを実施したり、出力時の概算費用の試算を行ったりできる無料のWebサービスだ。「3Dデータをアップロードし、機種や材料を選び、後加工を選択するだけで、AI(人工知能)が造形の可否判定やレコメンドを表示してくれるので、何度でもトライ&エラーを繰り返しながらさまざまなパターンを試すことができる」(説明員)。シミュレーションによって造形姿勢が決定したら、納期やオプションを指定するだけで、即時にコストが自動試算される。もちろん、3D-FABsで登録/設定した内容を基にオリックス・レンテックに正式見積もりを依頼したり、造形を発注したりできる。
「アカウント登録すれば、3D-FABsの全ての機能を無料で利用できる。造形シミュレーションやコストの自動試算の機能を利用することで、3Dプリンタを保有していなくても造形のコツやノウハウを学べる。この展示会を機に、多くの人に3D-FABsの魅力を知ってもらい、3Dプリンタのさらなる普及や活用につなげていきたい」(説明員)
その他、オリックス・レンテックのブースでは、3Dプリントモデルを活用した「風洞実験ソリューションサービス」や、定額で3Dプリンタによる造形を委託できる「サブスク3Dプリント」の紹介、サブスク3Dプリントで使用できるB'fullの産業向け光造形(SLA:Stereolithography Apparatus)方式3Dプリンタ「ZRapid iSLA by B'fullシリーズ」の実機および造形サンプルの展示などを行っていた。
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