独自の水晶方式で微細な振動を高精度で測定、エプソンがスマート振動センサー発売:FAニュース
エプソン販売は、生産現場などの微細な振動を高精度で測定するスマート振動センサー「M-A750FB」の受注を開始した。独自の水晶方式により、特に計測の難しい周波数の低い振動を容易に計測できる。
エプソン販売は2023年5月17日、微細な振動を高精度で測定するスマート振動センサー「M-A750FB」の受注を開始した。発売は同年6月28日の予定。USBケーブル、無線通信用専用USBレシーバー、クイックスタートガイドを同梱する。
M-A750FBは、振動による影響が大きい精密機器を用いた生産現場や、精密機器の開発、生産現場向けとなっている。独自の水晶方式により、特に計測の難しい周波数の低い振動を容易に計測できる。サイズは62.4×36.2×46.2mmで、重さは約100g。本体に小型ディスプレイ、メモリを搭載し、本体だけで計測できる。なお、外部からのUSB給電が必要となる。
左から「M-A750FB」本体、無線通信用専用USBレシーバー、USBケーブル 出所:エプソン販売
最大1000Hzのサンプリング周波数で、3軸の加速度計測に対応。計測した加速度データはCSVファイルとして保存できるため、Excelや数値計算ソフトによる加速度データの表示や分析につなげられる。
加速度計測画面 出所:エプソン販売
トリパタイトグラフ表示機能を搭載しており、加速度、速度、変位の3つの振動状態を一度に読み取れる。トリパタイトグラフは、Excelのデータとして保存可能で、簡易レポート作成機能により、トリパタイトグラフを用いた振動計測結果のレポートを作成できる。
トリパタイトグラフ表示画面 出所:エプソン販売
また、加速度計測、傾き計測、振動レベル判定(VCレベル判定)に対応。1台で3軸の加速度を同時に計測できる。Windows搭載のPCとは、無線通信用専用USBレシーバーの使用により無線通信が可能だ。
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