一方、Lumada事業向けでは、日立社内向けで培ったナレッジやノウハウを基に、リスクをコントロールしながら生成AIの利活用を支援するためのコンサルティングサービス、環境構築支援/運用支援サービスなどを提供する。環境構築支援/運用支援サービスでは、Microsoft Azure OpenAI Serviceと連携しつつ、ニースに合わせて日立独自のAI技術や生成AI活用の手法などを組み合わせる。
Lumadaアライアンスプログラムのパートナーとも協創を進め、日立外の技術やノウハウを積極的に取り入れていく。その第1弾となるのが、Microsoft Azure OpenAI Serviceを提供する日本マイクロソフトとの連携だ。「現時点で生成AIのデファクトと言っていいOpenAIのサービスを使っていく。Lumadaには200以上のソリューション、1200以上のユースケースがあるがこれらに生成AIをどう組み合わせられるかも検討していく」(吉田氏)。
吉田氏は、日立の研究開発部門を中心とした生成AI活用の取り組みとしてテキスト生成で3つ、画像生成で3つ、合計6つの事例を取り上げた。
テキスト生成では「Teams音声認識スクリプトなどから、要約された自然な議事録を自動生成」「チャットbotの攻撃性抑制」「対話システムにおける機械読解」、画像生成では「『設備の損傷』画像を用いた要件のすり合わせ」「『気象状況』画像を用いた判断ノウハウの獲得」「パワーポイントや明細書の図面作成」があるという。
また、日本だけでなく、北米に本拠を置くGlobalLogicも生成AI活用の取り組みを積極的に進めており、日立デジタルやGenerative AI センターと連携して日立全社に先進的な取り組み成果を浸透させたい考えだ。吉田氏は「生成AIの登場で、あらためてAI活用に対する熱の高まりを感じている。従来はPoC(概念実証)止まりになることも多かったが、これを契機にAI活用を本格化させていきたい」と述べている。
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