京セラは、鋼やステンレス鋼、鋳鉄の加工用ミーリング新材種「PR18」シリーズの販売を開始した。高硬度化と高靭性化を両立し、従来品比で2.5倍の加工寿命を有する。
京セラは2023年3月15日、鋼やステンレス鋼、鋳鉄の加工用ミーリング新材種「PR18」シリーズの販売を開始した。初年度に10億円の売上高を目指す。
PR18シリーズは、蓄積データから最適な被膜組成を求めるシミュレーション技術を取り入れ、高硬度化と高靭性化を両立。主にAlCr(アルミニウムクロム)系層とAlTi(アルミニウムチタン)系層で構成する新PVDコーティング「MEGACOAT NANO EX」により、高い耐摩耗性も備える。
それぞれのコーティング層は特殊ナノ積層で、交互に多層積層化するダブル積層技術により被膜の硬度と靭性を高次元で両立する。加えて、被膜のクラック進展の抑制と内部応力の適正化により高い耐チッピング性を備え、従来品比で2.5倍の加工寿命を達成した。
また、PR18シリーズを採用した縦置き4コーナー90度エンドミル「MA90」を同日発売する。独自の特殊チップ形状が耐欠損性と低抵抗を両立することで、高品質かつ長寿命な加工が可能になる。
直線と円弧を組み合わせた外周研磨仕様により美しい仕上げ面と優れた壁面精度を持続し、突発欠損によるホルダの破損や仕上げ面の悪化によるチップ寿命の短縮といった課題を解決する。
MA90はエンドミル、フェースミル、モジュラーエンドミルをラインアップし、価格はチップ85型番が2310〜2640円、ホルダ77型番が3万3300〜13万2000円(各税別)となっている。初年度に5億円の売り上げを目指す。
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