産業用アプリケーションのオープンなインタフェースであるOPC UAおよびOPC UA for Roboticsに対応した。OPC UA対応の機器ならメーカー問わず通信が可能になり、上位システムや周辺設備との親和性が高まった。OPC UA for Robotics対応によって、産業用ロボットに必要とされる標準的なデータは特別な設定をせずにデータ連携できる。
「最近の溶接現場では、ロボット単体で使うことは非常に少ない。さまざまな機器を接続してシステム化が進んでいる。そのような機器を同一のインタフェース上に接続して活用し、現場のさまざまなデータを上位のシステムにつなげてフロアレベルでの生産性向上、品質向上が求められている」(相見氏)
また、溶接データ管理機能を強化した。10μs周期で最大60秒間の電流、電圧を記録でき、外部計測機がなくても現場で溶接波形解析や溶接欠陥検証が可能になった。
コントローラー部ではラックを開閉することなく、全面から部品にアクセスできる構造になっており、1次側入力線、接続ケーブル類を背面に、ティーチングペンダントケーブルを前面配線にして側面の突起を抑制した。サーボ基板などのユニット化で省配線とメンテナンス性も向上している。
従来機同様に溶接条件テーブルは150種類以上搭載しており、今後も随時追加を予定している。ティーチングペンダントはタッチパネルを採用し、見やすい液晶画面と合わせて直感的な操作が可能になっている。
パナソニック コネクトの溶接関連事業の歴史は長く、これまでに溶接機は累計200万台(2021年3月末時点)、ロボットに関しては累計10万台(2022年12月末時点)を販売している。2022年には、国立科学博物館が2008年度より実施している重要科学技術史資料(未来技術遺産)に、当時の松下産業機器が製作した世界初のトランジスタインバータ制御方式を採用したアーク溶接機が登録された。
パナソニック コネクト プロセスオートメーション事業部 熱加工システム事業総括 池谷啓司氏は「溶接技能者の数は世界的に少なくなってきており、大きな問題となっている。さまざまな現場で溶接ロボットの引き合いをいただいており、長期的には伸びていく市場と見ている。TAWERSは『進化するTAWERS』をコンセプトに、ユーザーの元で機能を進化させながら、使っていただくことを目指している。ぜひこれらの特徴をご理解いただいき、販売台数およびシェアを伸ばしていきたい」と語る。
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