シチズンマシナリーは同社のLFV(低周波振動切削)搭載機の累計出荷台数が5000台を突破したと発表。5000台目を購入したユーザーを招いた記念式典が軽井沢本社で行われた。
シチズンマシナリーは2023年2月13日、同社のLFV(低周波振動切削)技術搭載機の累計出荷台数が同年1月に5000台を突破したと発表した。同年2月15日には、5000台目の製品を購入したユーザーを招いた記念式典が、軽井沢本社(長野県北佐久郡)で行われた。
LFV技術とはシチズンマシナリー独自の制御技術により、サーボ軸を主軸回転と同期しながら切削方向に振動挙動させ、切削中に刃物の当たらない“空振り”する時間を設けることで切りくずを分断させる加工技術だ。切りくずに起因するチョコ停を防止し、生産性が向上する。
2013年にLFV技術を搭載した機種の販売が始まり、2016年には主軸台移動形自動旋盤のロングセラー機種であるCincom「L20」に搭載、2021年には主軸台固定形自動旋盤のMiyano「ANX42SYY」でタレット刃物台に初めて搭載するなど、搭載機種は13にまで拡大している。また2016年からは欧米で、2021年からはアジアでも搭載機の販売を開始した。
2022年9月に累計出荷台数が4500台を突破しており、5000台達成は当初の想定だった2023年3月を2カ月前倒した。
記念式典でシチズンマシナリー 代表取締役社長の中島圭一氏は「世界に先駆けてCNC自動旋盤に搭載した当社のLFV技術は、他社の揺動切削とは大きく異なる。それは根本である技術そのものだけでなく、10年という経験から得たノウハウや発展性、お客さまからの信頼などによるものだ。発表当初は、精密機械を振動させることに不安を感じた方も多くいらっしゃったと思うが、1度ご使用いただくと、その良さを実感した声が世界中へ拡がり、今ではシチズンマシナリーを代表する技術となったばかりか、サステナビリティの観点から、新たな価値も生み出している」と語った。
5000台目を購入した東京都羽村市の三鎮工業 取締役副社長の山田勝也氏は「私は8年前に研修生として1年間シチズンマシナリーでお世話になった。父である社長は、研修で得た技術力により後継者ができたと確信し、事業規模の拡大を進めた」とエピソードを披露した。その上で、LFV技術について「われわれの成長に大きく貢献してくれた。ドリル周りの品質異常はゼロになり、工具寿命が延びることでコストダウンにもつながるなど生産性は3倍に向上した。抱えていたさまざまな課題を解決してくれたおかげで、新規受注のハードルが下がり、事業の幅も拡がった。昨今、コロナ禍やウクライナ情勢など、不透明なことが多いが、LFV技術を突破口にして切り抜いていきたい」と述べた。
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