豊田通商は、ウィルポートやパイオニアと共同で、物流のラストワンマイル向けに「最適配送計画サービス」の提供を開始した。
豊田通商は2023年2月8日、ウィルポートやパイオニアと共同で、物流のラストワンマイル向けに「最適配送計画サービス」の提供を開始したと発表した。ウィルポートの配送管理システムを主軸としたオープン型のラストワンマイル配送プラットフォームを通じて提供する。
パイオニアのAI(人工知能)ルート探索機能と豊田通商のコネクティッドサービスを掛け合わせた最適配送計画サービスを、ウィルポートのオープン型のラストワンマイル配送プラットフォームによってスマートフォンなどのデバイス向けに提供する。ラストワンマイル配送のデジタル化を通じて配送プロセスを効率化し、配送事業者の負担軽減やEコマースの発展に貢献したい考えだ。交通渋滞の緩和や交通事故の削減などにもつなげる。
制約条件やリアルタイムな交通渋滞情報を考慮した上で走行距離や時間を短縮し、配送プロセスの効率化や省人化に貢献する。サービスは2022年11月から提供しており、配達指定時間の精度が94%以上を達成した他、総配送時間を12%短縮、総配送距離を20%削減できることを確認している。
ウィルポートは2015年に設立されたスタートアップ企業で、小売業者向けに配車マッチング、伝票発行、給与支払いを一括してデジタルに行うことができるオープン型のラストワンマイル配送プラットフォームを提供している。パイオニアは、カーナビゲーションシステム事業の知見を生かし、輸配送モビリティの運行効率向上を支援するモビリティAIプラットフォーム「Piomatix LBS API」を提供している。
豊田通商はグループ会社と協力し、2011年から数十万台以上のタクシーやトラックから位置情報データをリアルタイムに収集。機械学習や数理最適化技術などを組み合せたコネクティッドサービスによって物流のデジタル化と効率化を推進してきた。
宅配便取扱量は直近10年間で約12億個増加。2035年には年間88億個に達すると予測されている一方、ドライバー不足やドライバー1人が担う荷物の増加が課題となっている。特にラストワンマイル配送では、アナログな物流手配や手続きが主流である一方、配達日時の指定割合が70%を超える中で運行管理を行う必要があり、配送プロセスが複雑化している。
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