電動化に全振りのGM、全車種の電動化とともに物流向けEVサービスへ参入電動化(1/2 ページ)

GMの会長兼CEOであるメアリー・バーラ氏は2021年1月12日(現地時間)、オンラインで開催中の「CES 2021」(2021年1月11〜14日)の基調講演に登壇し、現在が「歴史的にも社会的に変曲点にある」ということを訴えた。

» 2021年01月14日 12時30分 公開
[三島一孝MONOist]

 「事故ゼロ、二酸化炭素の排出量ゼロ、交通渋滞ゼロのビジョンを実現する大きなカギとなるのが電動化だ」と語るのは、米GM(General Motors)の会長兼CEOであるMary Barra(メアリー・バーラ)氏である。同氏は2021年1月12日(現地時間)、オンラインで開催中の「CES 2021」(2021年1月11〜14日)の基調講演に登壇し、現在が「歴史的にも社会的に変曲点にある」ということを訴えた。

photo 基調講演を行う米GMの会長兼CEOであるメアリー・バーラ氏(クリックで拡大)出典:GM

新たに商用EVサービスに参入、ブランド名は「BrightDrop」

 基調講演の中で大きな注目を集めたのが、商用電気自動車(EV)サービス「BrightDrop(ブライトドロップ)」の発表だ。これは商用EVや電気モビリティを活用した物流事業者向けのソリューションである。バーラ氏は「世界の多くの国が商用車に制限を設けている一方で、物流事業者はEコマース需要の急速な増加への対応に迫られている。パンデミックが広がる一方で、生命線になるであろうこの分野の課題に対応するためにBrightDropをリリースし、物流事業者に持続可能な成長のためのプラットフォームを提供する」と語っている。

 GMでは「BrightDrop」により商用EVや電動モビリティの提供だけでなく同社が提供してきたテレマティクスや車両管理などの知見も活用し、総合的なソリューションとしての提供を目指している。

 2021年初頭にまず家庭までのラストワンマイルの配送に役立つ電動パレット「EP1」を投入する計画である。これは、電動モビリティでありオペレーターの歩行ペースに合わせ時速3マイル(約5km)まで速度調整が可能で、200ポンド(約90kg)のペイロード容量を持つ。キャビネットドアが設置されており、個々のドアのスマートロック機能なども持ち、荷物管理を遠隔で支援することも可能だ。

photo 2021年初頭にリリース予定のラストワンマイル配送向けの「EP1」(クリックで拡大)出典:GM

 また、2021年後半には小型商用EV「EV600」を投入する。GMのグローバルEVプラットフォーム「Ultium(アルティウム)」を採用しており、フル充電で最大250マイル(約400km)の航続距離を達成予定だとしている。600立方フィート(約180m3)の荷室を持ち、各種安全機能や運転支援機能などを備えている。2021年末までに最初の車両が納入予定とされており、2022年初頭から本格展開する予定だとしている。

photo 2021年後半にリリース予定の小型商用EV「EV600」(クリックで拡大)出典:GM

 これらの車両に加えて、車両情報などをひも付けた形でソフトウェアサービスなども合わせて提供する予定だ。クラウドベースのソフトウェアプラットフォームを用意し、ルート効率、資産利用率、製品のアップグレードなど、業務改善につながるデータ提供などを行う。また、ドライバーや宅配業者は、モバイルアプリケーションを通じてさまざまなタスクにこれらの情報を活用できるようにする。

 例えば、「BrightDropモバイル資産管理」では、接続されたEP1の位置監視、バッテリーの状態、ロックやロック解除のリモートコマンド、接続されている機能の無線アップデートなどの機能を提供する。また「BrightDrop EVフリート管理」では、「EV600」など配送車両のリアルタイムの位置情報や、バッテリーおよび充電管理、ドライバーの安全コーチング、事故記録、リモート診断、安全警告および予知保全の洞察、無線アップデートなどを提供する計画だという。

 また、将来的なコンセプトとして、複数の「EP1」を「EV600」などの商用車で運ぶ中距離ソリューションなどの検討も進めている。また「EP1」以外でより早く配送できる配送車なども検討中だという。

photo 将来構想として描かれている中距離ソリューションのイメージ。EVで複数の配送車を運ぶ(クリックで拡大)出典:GM

 既にパイロットプロジェクトとして配送大手FedEx Express(フェデックス・エクスプレス、以下フェデックス)での「EP1」の導入を行い、1日当たり25%以上の配達量を増やすことに成功した実証結果を得られたという。

 フェデックスのエグゼクティブバイスプレジデントのRichard Smith(リチャード・スミス)氏は「個々の配送は過去数カ月で予測できないレベルまで増えた。パンデミックが終息したとしてもこうした配送量は減ることはないだろう。2023年までに1日1億個の荷物を配送しなくてはならなくなる予測も出ている。こうした中で『BrightDrop』のようなソリューションはフェデックスそのもののオペレーション改善に大きく貢献する。EP1に対する現場からのフィードバックも素晴らしい結果だった」と活用の手応えについて語っていた。加えて、フェデックスでは2021年内に「EV600」を導入し、「EV600」の最初のユーザーになることも合わせて紹介している。

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