3D CAD推進者が見た「3DEXPERIENCE WORLD JAPAN 2022」イベントレポート(1/2 ページ)

3次元設計ソリューション「SOLIDWORKS」の国内最大級のユーザーイベント「3DEXPERIENCE WORLD JAPAN 2022」(会期:2022年11月14日)が開催された。本稿では、SOLIDWORKSユーザーであり、3D CAD推進者として活動する立場から、筆者が注目したセッション内容を中心に同イベントをレポートする。

» 2022年11月29日 09時00分 公開
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 2022年11月14日、東京都内で3次元設計ソリューション「SOLIDWORKS」の国内最大級のユーザーイベント「3DEXPERIENCE WORLD JAPAN 2022」が開催された。実地でのリアル開催は3年ぶりとなる。同イベントの主催はソリッドワークス・ジャパンで、筆者も所属するソリッドワークス・ジャパン・ユーザー会(以下、SWJUG)も共催として参加している。本稿では、SOLIDWORKSユーザーであり、3D CAD推進者として活動する立場から、筆者が注目したセッション内容を中心に同イベントをレポートする。

「想像をつなぎあわせ、未来を創造する」をテーマに、3年ぶりにリアル開催された「3DEXPERIENCE WORLD JAPAN 2022」(撮影:筆者) 「想像をつなぎあわせ、未来を創造する」をテーマに、3年ぶりにリアル開催された「3DEXPERIENCE WORLD JAPAN 2022」[クリックで拡大] 撮影:筆者

 なお、2022年12月4日まで各セッションのオンデマンド配信も行われているので、そちらも併せてご覧いただければと思う(関連リンク:SOLIDWORKSブログ)。

3Dモデリングのアプローチは各人各様、やっぱり「3D設計は楽しい」

 国内はもちろんのこと、世界中に多くのユーザーを抱えるSOLIDWORKS。その日本における公式のユーザー会であるSWJUGは、同イベントで毎回いくつかのセッションを受け持っている。今回は2つのセッションを担当していたが、まずはそのうちの1つである「SWJUGリーダーのモデリングを見てみよう」のセッションの様子を取り上げたい。

技術交流会「SWJUGリーダーのモデリングを見てみよう」の様子 技術交流会「SWJUGリーダーのモデリングを見てみよう」の様子[クリックで拡大] 撮影:筆者

 同セッションでは、“2D図面からどのように3Dモデル化を行うのか”をテーマに、SWJUGのリーダーたちが実演を交えながら、「モデリングのポイントとは何か?」について来場者の皆さんに考えてもらうことを目的としている。筆者自身もモデリングを実演するSWJUGのメンバーの1人としてセッションに参加していた。

設計意図を残すための3Dモデリングの例(1)
設計意図を残すための3Dモデリングの例(2) 設計意図を残すための3Dモデリングの例。セッションでは実際に筆者がモデリングを担当した[クリックで拡大]

 SOLIDWORKSでは、多くのフィーチャー機能があり、同じ3Dモデルを描くにしても、さまざまな手法をとることができる。ここで大切なのは“設計意図を3Dモデルに反映すること”だ。

 SWJUGに所属する各地域のリーダーたちは、さまざまな業種の設計関係者で構成されている。そのため、SWJUGリーダーそれぞれで、どこを設計基準として考えるのか、どうパラメトリックに考えるのか、といった視点や考え方が異なっており、それが実に新鮮で面白い。同セッションを通じて、筆者自身もあらためて「モデリング=3D設計は楽しい」と実感することができた。

 その他にも、「ユーザーがユーザーにおくる初心者向け虎の巻」という大人気のセッションも行われ、SOLIDWORKSを用いた裏技的なモデリング手法などが紹介された。

 現在、SOLIDWORKSを使っており、まだSWJUGに参加されていない方は、ぜひこの機会に、SWJUGに仲間入りしていただきたいと思う。興味のある方は、SWJUGのWebサイトをチェックしてほしい。

“予期せぬエラー”と向き合って作業効率やパフォーマンスを向上させる

 続いて、「なぜ、エラーを含んだモデルはいけないのか? SOLIDWORKSモデリングテクニックの紹介」(発表者:ソリッドワークス・ジャパン 営業技術部 清水幸久氏)というセッションを聴講した。

「なぜ、エラーを含んだモデルはいけないのか? SOLIDWORKSモデリングテクニックの紹介」のセッションの様子 「なぜ、エラーを含んだモデルはいけないのか? SOLIDWORKSモデリングテクニックの紹介」のセッションの様子[クリックで拡大] 撮影:筆者

 SOLIDWORKSで設計を行っていると、突如“予期せぬエラー”に遭遇することがある。そのきっかけは、他の人が設計したモデルの編集であったり、インポートデータを用いた設計作業であったりとさまざまだ。

 このセッションは、こうした予期せぬエラーについて、体系的にその対策を教えてくれるもので、どれも「なるほど!」と感心する内容ばかりであった。エラーを回避するモデリングのアプローチについて、気付きや考えるきっかけを与えてくれる、SOLIDWORKSユーザー必見のセッションだったといえる。

 モデリング時のエラーや警告について正しく理解し、これを回避する設計を行うことで、設計の作業効率やパフォーマンスが向上するはずだ。また、作業標準化に取り組む上でも、エラーを回避するモデリングを実践/共有することが、何よりも効果的だといえるだろう。

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