どのCADを使っている？ 3D推進の状況は？ ちょっと気になる隣のCAD事情：CAD利用動向調査 2022（1/3 ページ）

CADは設計現場に欠かせない重要なツールの1つ。今のCADに大きな不満はないが、もっと使いやすいCADはないか？　リプレースするにしてもどこを重視すべきか？　そもそも2D CADのままでよいのか？　最近業績を上げているあの企業は3D CADに切り替えたらしい……。「CAD利用動向調査アンケート」の結果を基に、そんな“ちょっと気になる隣のCAD事情”について紹介します。

[八木沢篤，MONOist]

CAD利用動向調査アンケートの結果を基に解説

　皆さんは職場でどのCADツールを使っていますか？　それは2D CADでしょうか？　3D CADでしょうか？　それとも併用でしょうか？　もしリプレースするならどんなポイントを重視しますか？　脱2次元、3D CADへの移行状況はいかがですか？

　本稿では、2022年6月に製造業向けメディアのMONOist／TechFactoryの読者を対象に実施した「CAD利用動向調査アンケート」の結果（回答数：475件）を踏まえながら、職場で使用しているCADの種類、バージョンアップの対応状況、リプレース時に重視するポイント、さらには設計者が期待しているテクノロジーなど、“ちょっと気になる隣のCAD事情”について紹介します。

　CADツールの選定（CAD選び）やリプレース検討の際の情報収集、3D推進のきっかけづくりにお役立ていただければ幸いです。

一番使われているCADはどれ？

　現在、職場で主に使用しているCADツールについて聞いたところ、第1位が「AutoCAD」（38.5％）、第2位が「SOLIDWORKS／3DEXPERIENCE SOLIDWORKS」（28.6％）、第3位が「Jw_cad」（9.9％）、第4位が「iCAD SX」（8.6％）、第5位が「CATIA V5（それ以前含む）」（8.2％）という結果となりました。ちなみに、MONOistの記事でもよく取り上げている「Fusion 360」「Creo」「NX」「Inventor」あたりもベスト10には入っているのですが、ご覧の通り、AutoCADやSOLIDWORKSがダントツで、それ以外のメジャーCADはほぼ大差なく横ばいという結果となりました。詳しくは「CAD利用動向調査レポート」をダウンロードしてご覧ください。

職場で主に使用しているCADツールは？

N＝475

順位

比率

ツール名

1

38.5％

AutoCAD

2

23.6％

SOLIDWORKS／3DEXPERIENCE SOLIDWORKS

3

9.9％

Jw_cad

4

8.6％

iCAD SX

5

8.2％

CATIA V5（それ以前含む）

「職場で主に使用しているCADツールは？」……2022年6月にMONOist／TechFactoryの読者を対象に実施した「CAD利用動向調査アンケート」の結果（回答数：475件）を基にしたランキングとなります。

　最近では、クラウド／プラットフォーム戦略を強化しているCADベンダーも増えているので、「SOLIDWORKS／3DEXPERIENCE SOLIDWORKS」の項目に関しては、今後「デスクトップ版SOLIDWORKS」「コネクテッド版SOLIDWORKS（3DEXPERIENCE SOLIDWORKS）」と分離して聞いてみても面白いかもしれませんね。また、Webブラウザベースの「Onshape」や、今回リストには入っていませんでしたが「SOLIDWORKS CLOUD」あたりがこの先伸びてくるのかも気になるところです。

　あと、興味深いのが、職場で主に使用しているCADツールの使用年数についてです。アンケート調査では「10年以上〜15年未満」（14.3％）、「15年以上〜20年未満」（12.4％）、「20年以上」（20.4％）と、同じCADツールを10年以上使い続けている割合が47.1％も占めていました。導入／立ち上げや教育、その後の定着に向けたさまざまな苦労や努力を考えると、確かに一度導入したCADから、別のベンダーのCADに乗り換えるというのはなかなかハードルが高いといえるのかもしれません。

職場で主に使用しているCADツールの使用年数について［クリックで拡大］