設計対象の違いや取引先とのやりとりの兼ね合いもあるので一概に、良い悪い、進んでいる進んでいないと評価できませんが、2D CADの利用比率、3D CADの利用状況についても聞いてみました。
主な設計業務における2D CADの利用比率に関しては、「100%」が17.3%、対して「0%」が13.9%という結果となりました。繰り返しになりますが、どちらが良い悪いとか、そういうことではありません。また、この結果からも分かる通り、多くの現場で2Dと3Dを使い分けているということが見えてきます。
一方で、デジタルトランスフォーメーション(DX)の文脈から、脱2次元や3D推進の動きが加速しているのも事実です。3D CADの利用状況に関するアンケート結果を見てみると、「2次元から3次元への移行が完了している」が17.3%、「3次元への移行はほぼ完了しているが、2次元の運用も残っている」が26.5%、「今まさに移行途中である」が13.7%と、50%以上が3D推進に取り組んでいることが分かります。このあたりの動きは、先ほども触れたCADベンダーを中心とするクラウド/プラットフォーム戦略と連動する形で、今後より加速していくのではないかと思います。
CADツールの多くは毎年のようにバージョンアップされ、不具合修正や快適性の向上だけでなく、より便利で高度な機能がどんどん追加されています。皆さんが職場で主に使用しているCADツールのバージョンアップの対応状況はいかがでしょうか。
アンケート結果によると、「定期的にバージョンアップしている」が48.4%、「常に最新バージョンを使用している」が20.6%と、大半が最新環境の維持に努めている一方で、「導入したときのまま使用している」(8.6%)、「保守が切れてバージョンアップしていない」(5.5%)といった現場もみられます。
もちろん保守費との兼ね合いもあるでしょうが、「運用でカバーしながら何とか実現している作業が、最新バージョンだとボタン1つで!」みたいなケースもあるかもしれませんので、使用中のCADツールの最新情報は常にチェックしておくべきでしょう。また、CADベンダー各社で表示パフォーマンスの向上なども地道に進めていますので、「●●は重くて使えない」といったかつての印象が、最新バージョンに触れることでがらりと変わるかもしれません。
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