コクヨとテックファームは、職場のコミュニケーションにおいて、香りが行動変容のトリガーになり得るかを検証する実証実験を開始した。場に適した香りを提示することで、話者の偏りの是正や会議の活性化などが可能かを検証する。
コクヨは2022年11月4日、香りが促すコミュニケーションの行動変容について、テックファームと共同検証を開始したと発表した。職場のコミュニケーションにおいて、香りが行動変容のトリガーになり得るかを検証する。
近年、働き方改革や新型コロナウイルス感染症などの影響により、働き方の多様化が進んでいる。両社はこれまでに、働く人同士のコミュニケーションの課題を定量的に把握するため、会話や面談などの音声をAI(人工知能)で解析。発話量や会話内容のポジティブ/ネガティブ比などを可視化することで、コミュニケーション状況を分析する技術を開発している。
今回の取り組みでは、その分析結果に基づき、最適と判断されたタイミングでシーンに応じた香りを提示することで、香りが行動変容のトリガーになり得るかを検証する。音声の分析結果をそのままフィードバックすると、状況把握にとどまってしまうが、行動変容につなげるために香りに着目した。
例えば、会議が停滞したときに場を盛り上げる香りを、疲労に関する特定の言葉が出た場合には休憩を促す香りを噴出する。こうした場に適した香りを提示することで、話者の偏りの是正、会議の活性化や和ませるといったことが可能かを検証する。香りの提示には、ソニーが開発した専用の香り噴出デバイスを用いる。
コクヨ東京品川オフィス「THE CAMPUS」で働く人を対象に実証実験を実施し、オフィスのコミュニケーションにおいて、香りによる行動変容の効果を明らかにする。また、リラックス以外の香りの効用の可能性について検証し、働く空間への還元を目指すとしている。
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