Edgecrossコンソーシアムは「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」(2022年11月8〜13日、東京ビッグサイト)において、JIMTOFに出展している7社のブース内機器をエッジコンピューティング基盤「Edgecross」で結び、仮想的に「つながる工場」を実現するデモを披露した。
Edgecrossコンソーシアムは「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」(2022年11月8〜13日、東京ビッグサイト)において、JIMTOFに出展している7社のブース内機器をエッジコンピューティング基盤「Edgecross」で結び、仮想的に「つながる工場」を実現するデモを披露した。
2017年に設立されたEdgecrossコンソーシアムは、エッジ領域でのデータ活用とエッジコンピューティング基盤の普及を目指してさまざまな取り組みを進めている。共通プラットフォームとなる「基本ソフトウェア」に加えて、エッジデータの整理を行いデータ連携を実現する「データコレクタ」、基本的な活用方法をパッケージ化した「エッジアプリケーション」などを展開している。
JIMTOF2022では、製造現場からのデータがつながる世界を表現するために、これらのEdgecrossの枠組みを活用し、会場内に出展した工作機械メーカーのブースをリアルタイムで結び、機械が稼働する状態を遠隔モニタリングできる様子を示した。遠隔モニタリングに参加した工作機械メーカーはエンシュウ、オークマ、黒田精工、住友重機械ファインテック、ソディック、武田機械、ナガセインテグレックス、ファースト技研、三菱電機の9社で、その内7社ではリアルタイムでブース内の機械から直接接続を行い、遠隔モニタリングを行えるようにした。
今回のデモに参加したのは、これらの工作機械メーカー9社の他、アプリケーションおよびIPCなどを展開する、アマゾンウェブサービスジャパン(AWS)、NTN、Empress Software Japan、オムロン、グーグル・クラウド・ジャパン、トレンドマイクロ、日本ストラタステクノロジー、萩原テクノソリューションズ、パトライト、日立ソリューションズ、ブレインズテクノロジー、三菱電機、三菱電機インフォメーションシステムズの13社だ。
工作機械からのデータはまず、Edgecross基本ソフトウェアとデータコレクタを搭載したPCおよびIPCを通じて収集され、さまざまなアプリケーションで使用できるように整理される。その後、参加したアプリケーションベンダーのソフトウェアを活用し、品質情報の分析や保全、MES連携などのアプリケーションを通じて活用される。デモではこうした一連の流れを一目で分かるように示したことが特徴だ。
また、今回は新たな試みとして、欧州を中心に工作機械向けの接続用インタフェースとして注目されている「umati」と連携するデモなども行った。umatiはVDW(ドイツ工作機械工業会)とVDMA(ドイツ機械工業連盟)が積極的に推進してきた、工作機械を中心とした共通接続インタフェースだ。
Edgecrossを通じて集めた情報を、Empress Software Japanのコンバーターによりumatiモデルに変換し、umatiにより接続ショーケースとして提供されているumati.appで全世界のどこでも見られるようにしている。
Edgecross コンソーシアム 事務局長 徳永雅樹氏は「活動を進める中で、具体的にできることの幅が広がってきた。現場データがより広く使える環境を作り出していく」と述べている。
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