インテル(Intel)とブロードコム(Broadcom)は、クロスベンダーによる業界初のWi-Fi 7のデモンストレーションを実施し、5Gbpsを超える無線通信速度を実現したと発表した。
インテル(Intel)とブロードコム(Broadcom)は2022年9月8日(現地時間)、クロスベンダーによる業界初のWi-Fi 7のデモンストレーションを実施し、5Gbpsを超える無線通信速度を実現したと発表した。
このデモは、ノートPCのプラットフォームに広く採用されているインテルと、Wi-Fiルーター/アクセスポイント向けで高シェアのブロードコムの間で、次世代無線LAN規格であるWi-Fi 7の相互運用性を確認することを目的としたものだ。デモ機のノートPCにはデル・テクノロジーズの「Latitude 5430」を用いており、Wi-Fi 7のNIC(Network Interface Card)としてインテルが開発中の「Gale Peak 2」(コードネーム)を組み込んでいる。アクセスポイントは、ブロードコムのWi-Fi 7チップを搭載するトライバンドルーターだ。
Wi-Fi 7は、現行のWi-Fi 6や2022年9月2日に総務省が日本国内での利用を認可した6GHz帯に対応するWi-Fi 6Eと比べて、チャネル幅が320MHzとより広く、新たな変調方式である4K QAMを利用でき、複数のリンクを確立するマルチリンク機能によって高い信頼性の通信が行えるなどの利点がある。Wi-Fi 7の性能は、Wi-Fi 6/6Eと比べて、ネットワーク容量で5倍になり、レイテンシ(遅延時間)がワーストケースで100倍、AR/VRアプリケーションで15倍の改善が見込まれ、室内でのカバレッジが63倍に広がるという。
今回実施したデモは、チャネル幅320MHzと4K QAMに基づくネットワーク容量の拡大を確認するものだ。無線通信速度は、5GHz帯でチャネル幅80MHzを用いるWi-Fi 6が1Gbps以下、6GHz帯でチャネル幅160MHzのWi-Fi 6Eが2Gbps以下なのに対し、6GHz帯でチャネル幅320MHzかつ4K QAMを用いるWi-Fi 7は5Gbps以上を達成した。
両社は今後もWi-Fi 7の相互運用性を確認するためのデモを実施してく方針。次回は、レイテンシ性能に関わるMulti Resource Unit Puncturingやマルチリンク機能についてのデモを予定している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.