スマートフォンと衛星ネットワークを接続、5G NTN通信機能の実証実験に成功製造業IoT

メディアテックとローデ・シュワルツは、実験室環境でスマートフォンによる「5G非地上系ネットワーク接続」の実証実験に成功した。エミュレートした低軌道衛星チャンネルを利用し、gNBテスト環境へデータを転送できた。

» 2022年09月01日 14時00分 公開
[MONOist]

 メディアテック(MediaTek)は2022年8月18日、ローデ・シュワルツ(Rohde&Schwarz)と共同で、実験室環境でスマートフォンを使った「5G非地上系ネットワーク(NTN)接続」の実証実験に成功したと発表した。エミュレートした低地球軌道(LEO)衛星チャンネルを利用し、ITRI(工業技術研究院)の次世代NodeBネットワーク(gNB)テスト環境へデータを転送できた。

 実験で使用したスマートフォンには、3GPPによる5G仕様「リリース17」に適合した、MediaTekの「NR NTN対応テストチップ」を搭載している。フォームファクターと設計部品は、標準的なスマートフォンと同じだ。時速約2万7000kmで高度600kmを飛行する、低軌道衛星コンステレーションを再現した実験室環境でテストした。

 5G NTN技術により、より広い地域で、高速かつ信頼性の高い5G接続が可能になる。商用5Gスマートフォンが衛星通信をサポートすることで、消費者だけでなく、重要な通信、輸送、農業、車両や重機の管理、IoT(モノのインターネット)デバイスを扱う企業にとってもメリットが生じる。

 また、NTN上のリリース17の標準化が進めば、1台のデバイスで容易にセルラーネットワークと衛星ネットワークを切り替えられる。5G NTNスマートフォンでは、これまで場所を占めていたアンテナが不要になる可能性もある。

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