ソラコムは年次ユーザーイベント「Discovery 2022 ONLINE」に合わせて新サービスを発表。1枚のSIMで国内3キャリアに対応するマルチキャリアSIMの提供、「衛星メッセージングサービス」への対応などにより、同イベントのテーマ「Internet of Everywhere」に沿って、あらゆる状況、あらゆる場所におけるIoTの活用を推進していくという。
ソラコムは2022年7月6日、オンラインで開催中の年次ユーザーイベント「Discovery 2022 ONLINE」(同月6〜7日)に合わせて新サービスを発表した。1枚のSIMで国内3キャリアに対応するマルチキャリアSIMの提供、海や山、砂漠など通常の携帯電話通信が届かない場所をカバーする「衛星メッセージングサービス」への対応などにより、同イベントのテーマ「Internet of Everywhere」に沿って、あらゆる状況、あらゆる場所におけるIoT(モノのインターネット)の活用を推進していくという。
同社はIoT通信に用いるSIMを「SORACOM IoT SIM」として提供しており、国内を含めたグローバルで利用可能な「plan01s」の他、国内向けの4G回線を提供する「planX1」と5G回線にも対応する「planX2」、グローバルでLPWA(低消費電力広域)ネットワークのLTE-Mに特化した「planX3」などがある。
今回の発表では、これまでKDDIとソフトバンクの回線に対応していたplanX1がNTTドコモ回線も利用できるようになった。2022年2月に発表したplanX3についても、国内ではNTTドコモ回線に対応していたが、近日中にソフトバンク回線も利用可能になるという。
今回のイベント開催の直前に、ソラコムの親会社であるKDDIの携帯電話サービスの通信障害が起こり、約150万のIoT回線に影響があったと報じられている。SORACOM IoT SIMでKDDI回線を利用しているソラコムの一部顧客にも影響があったという。同社 代表取締役社長の玉川憲氏は「当社の顧客はデータ回線での利用が多いこともあり、今回の通信障害の影響は限定的だったものの、もちろん全く問題がなかったわけではない。このような状況に対応できるようなバックアップ回線へのニーズは以前から多くあり、planX1の3キャリア対応もその一環になる。今後も増えていくであろう、バックアップ回線へのニーズを拡充させていきたい」と語る。
なお、plan01sのカバレッジについても、2021年の147カ国から150カ国に、同265キャリア(LTE138キャリア)から280キャリア(LTE192キャリア)まで拡大した。主要国ではマルチキャリア対応も進めている。また、SIMカードやeSIMに契約回線をOTA(Over the Air)で追加できる「サブスクリプションコンテナ」を活用すれば、アジア向けに特化した「planP1」やplanX3なども利用可能になるため、全体で164の国と地域、319キャリアに対応できるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.