ELTRES対応の衛星無線実験装置が、地上からの電波を宇宙で受信：製造業IoT
ソニー独自のIoT向けLPWA通信規格「ELTRES」に対応した衛星無線実験装置が、地上のIoTデバイスから送出した電波を、上空400kmの軌道上を高速移動するISS（国際宇宙ステーション）で高精度に受信した。
» 2021年12月28日 08時00分 公開
[MONOist]
ソニーは2021年12月3日、同社独自のIoT（モノのインターネット）向けLPWA（低消費電力広域）通信規格「ELTRES（エルトレス）」に対応した衛星無線実験装置が、地上から送出した電波を宇宙で受信したと発表した。
ELTRESは、20mWの送信電力で見通し100km以上の伝送が可能な通信技術だ。山岳地帯や離れた海上への電波送信にあたり、地上から完全な見通しを確保できる人工衛星の活用が期待されていた。
ソニーが新たに開発した衛星無線実験装置は、ELTRES対応の無線基地局を小型化、省電力化したもので、宇宙環境にも対応できる。また、専用の信号処理アルゴリズムを実装しており、地球を高速周回する低軌道衛星でも安定した受信が可能なほか、受信できる端末数も最大化した。
同装置をISS（国際宇宙ステーション）日本実験棟「きぼう」の船外実験プラットフォームに設置したところ、地上のIoTデバイスから送出した電波を、上空400kmの軌道上を高速移動するISSで高精度に受信できた。
ソニーは2022年3月まで、ELTRESを組み込んだIoTデバイスを用いて、さまざまな環境下での宇宙地上間の受信実験や通信品質向上のための実験を実施し、さらに解析、評価を進める。
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