日野自動車は2022年8月30日、エンジン認証不正問題を受けた企業風土改革の一環で「信頼回復プロジェクト」と「パワハラゼロ活動」を開始したと発表した。また、小型トラック用エンジンの認証業務でトヨタ自動車にさらなる協力を要請するなど、トヨタとも連携しながら品質への信頼を取り戻していく。
日野自動車は2022年8月30日、エンジン認証不正問題を受けた企業風土改革の一環で「信頼回復プロジェクト」と「パワハラゼロ活動」を開始したと発表した。また、小型トラック用エンジンの認証業務でトヨタ自動車にさらなる協力を要請するなど、トヨタとも連携しながら品質への信頼を取り戻していく。
信頼回復プロジェクトはマネジメント層と中堅層からなる社長直轄チームが主導して、ステークホルダーの心配や迷惑に向き合うとしている。取り組みの内容は次の通りだ。
パワハラゼロ活動では、相談窓口を通じた緊急実態調査やマネジメント層への自己診断を実施するとともに、パワーハラスメントを行った者への人事処分を厳罰化する。処分の考え方と基準を社内に周知し、ハラスメント行為の具体的な事案や処分内容についても適切に情報を開示し、周知徹底していく。
パワーハラスメントの再発防止に向けた意識啓発や、仕組みづくりに寄与する人事施策も推進する。360度評価アンケートの対象者拡大(全ての役員、執行職、基幹職を対象とする)、評価者の選択方法の見直し、ハラスメント防止教育、人材ローテーション制度の運用徹底、オープンでフラットな社内コミュニケーションの活性化などに取り組む。
エンジン認証不正問題を受けて、外部の特別調査委員会が実施した社員向けのアンケート調査には、パワーハラスメントが常態化していることを指摘する回答が多数寄せられたという。
特別調査委員会の報告書では、「日系企業ではかつて指導や教育の名の下に現在ではパワーハラスメントと評価される行為が横行していたと思われるが、パワーハラスメントに対する世間や社会の“物差し”は確実に変化した。日野はパワーハラスメントの問題に対処できないまま、時代に取り残されたという印象を強く受ける」と指摘されている。
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