日野の小型エンジンも不正が確定、中型エンジンは4万7000台のリコールに品質不正問題

日野自動車は2022年3月25日、日本向けのエンジンで発覚した排ガスや燃費の認証試験の不正行為について、リコールなどの対応を発表した。

» 2022年03月28日 07時30分 公開
[齊藤由希MONOist]

 日野自動車は2022年3月25日、日本向けのエンジンで発覚した排ガスや燃費の認証試験の不正行為について、リコールなどの対応を発表した。

 不正のあったエンジン4機種のうち、排ガス性能に問題のある中型エンジン「A05C(HC-SCR)」は、搭載モデルである中型トラック「レンジャー」のリコールを届け出た。

 暫定措置として、全車両を対象にHC-SCR触媒を点検し、触媒を再生できる場合は再生作業を行う。再生が不可能、もしくは再生が完了できない場合は触媒を交換する。触媒の再生作業は対象車両の点検整備項目に追加し、定期的に実施する。恒久対策が決まり次第、改めて措置を実施する。対象となるのは、2017年4月〜2022年3月に生産した4万7000台だ。

 A05C(HC-SCR)は、劣化耐久試験の途中で排ガス性能が劣化して規制値に適合しない恐れがあると認識した上で、第2マフラーを交換して試験を継続するという不正が行われた。そのため、HC-SCR触媒の再生用制御プログラムが不適切で触媒に付着した排ガス中の硫黄成分が除去されずに堆積することがある。その結果、使用期間が長くなるにつれて触媒性能が低下し、NOx(窒素酸化物)の排出値が規制を上回る恐れがある。

 一連の不正を発表した2022年3月上旬の時点では、「燃費に問題があるものの不正の有無は不明」としていた小型エンジン「N04C」について、不正行為があったことも明らかにした。認証試験における燃費測定で燃費性能が基準を満たさない可能性を認識した上で、アイドリング時の燃料消費量が燃費に有利になるよう燃料流量が安定する前に測定を開始したり、複数回の測定結果から最もよい値を採用したりといった不正行為が行われていた。

 N04Cを搭載する小型バス「リエッセII」とトヨタ自動車向けの「コースター」はモデル切り替えのため新規に出荷はされていないが、正しい燃費値を確認した上で税制優遇への対応などを行う。

 不正のあったエンジンは、トヨタ自動車やいすゞ自動車にも供給されている。国土交通省は該当するエンジンに関して、不正に型式指定を取得したと判断し、装置型式や共通構造部型式の指定取り消しや燃費評価の取り消しを発表した。

 日野自動車は外部の法律専門家や技術の知見のある有識者で構成される特別調査委員会を設置し、全容解明に向けて協力していく。

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