トヨタ式TQMの体系と管理上のポイント(その1):トヨタ式TQM×IoTによる品質保証強化(2)(2/3 ページ)
方針管理とは、企業組織において経営目的を達成するための手段として制定された中長期経営計画あるいは年度経営方針を体系的に達成するための全ての活動のことです。
方針管理は、他の管理活動と同様にPDCAのサイクルを確実に回すことが大切です。方針の策定(P:Plan)を行い、計画通りに実行し(D:Do)計画との差異を把握し(C:Check)、目標通りの結果が得られなければ計画の修正や方策の見直しを行って仕組みを改善(A:Action)することになります。
方針管理は以下の手順で実施します。
- 前期の活動実績について反省し、自部門の問題点を把握する。その際に社長診断の指摘項目を吟味し、景気、同業他社などの外部環境に関する情報を収集、分析し、取り組むべきテーマを明確にする
- 社長方針を踏まえて部門長方針を部門長方針書に展開する
- 部門長方針書の内容を理解し、重要実施課題として目標と重点方策を立案する。そのための管理項目、管理水準を設定する
- 各月の項目に対する実施状況を方針管理業務実施報告書に記録して適宜報告する。その際に管理項目のグラフを添付する
方針管理をうまく回すためのポイントは以下の通りです。
- 部長方針については、その年度で一番大事なことは何か、重点を絞る
- 部全体に関わるものを取り上げる。個々の課の内容はとりあげない
- 主管業務の方針にとどめサポート業務は含めない
- 実施項目の作成に当たって、部課長は着眼点を指示する程度にとどめ、具体策は部下に考えさせる
- 上司自らも改善に取り組むという心構えを持つ
図2 方針管理のフロー[クリックで拡大]
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