キャディは、製造業における図面データの活用状況や課題に関する調査を実施し、結果を公表した。多くの企業で図面データの活用が進んでいる一方で、図面の管理環境などで課題があることが明らかになった。
製造業向け受発注プラットフォーム「CADDi」を手掛けるキャディは2022年8月3日、製造業における図面データの活用状況や課題に関する調査を実施し、結果を公表した。
同調査は、社内での図面の取り扱いや検索の実態を明らかにすることを目的に、2022年4月1〜4日に実施した。年商10億円以上の製造業従事者のうち、日常業務の中で図面を扱う人を対象とし、1000人分の有効回答数を得た。
保有情報の重要度ランキングでは、62.8%が自社保有の情報で最も重要なのが「図面」と回答した。第2位の「顧客情報」は15.9%で、第1位と大きく差が開いており、製造業の経営において図面は特に重要なデータとして認識されていることが分かった。
過去の図面の検索環境については、図面管理システムの利用者が51.4%、共有サーバの利用者が42.1%となり、多くの企業で既に図面データを活用していることが判明。一方で、紙図面を保管しているとの回答も39.6%に上った。
1カ月当たりのドキュメントの検索状況については、平均で19.3時間かかっており、そのうち図面の検索時間が9.9時間だった。図面データの利用者でも7割以上の人が課題があると感じており、課題の中身では「図面にひもづく情報が見られない」が25%、「部品の形状から検索ができない」が23%と多く、図面にひも付く情報へのアクセシビリティーの低さが課題になっている。
他にも、担当業務の経験年数が長いほど新規図面の依頼先判断が早くなる属人化の懸念や、図面の検索性が低いことによる調達原価のブレがあることが分かった。同社はこれらの課題の解決策として、図面解析技術で調達原価の削減と図面検索工数削減を支援するサービス「CADDi DRAWER」を開発し、2022年6月22日から提供を開始している。
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