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» 2022年07月27日 06時00分 公開

走りと燃費を両立、新型クラウンの「1モーターハイブリッドトランスミッション」電動化(1/2 ページ)

アイシン、デンソー、BluE Nexusは2022年7月22日、トヨタ自動車の「クラウン」の新モデル(クロスオーバー RS)に1モーターハイブリッドトランスミッションが採用されたと発表した。新型クラウン(クロスオーバー)は全車ハイブリッド車(HEV)で、電気式4WDのみの設定となる。日本での発売は2022年秋を予定している。日本のみで販売していた従来モデルとは異なり、40の国と地域で展開する。

[齊藤由希,MONOist]

 アイシン、デンソー、BluE Nexusは2022年7月22日、トヨタ自動車の「クラウン」の新モデル(クロスオーバー RS)に1モーターハイブリッドトランスミッションが採用されたと発表した。新型クラウン(クロスオーバー)は全車ハイブリッド車(HEV)で、電気式4WDのみの設定となる。日本での発売は2022年秋を予定している。日本のみで販売していた従来モデルとは異なり、40の国と地域で展開する。

新型クラウン(クロスオーバー)[クリックで拡大] 出所:トヨタ自動車

 1モーターハイブリッドトランスミッションは、トルコンレスの6速ATと駆動用モーター、インバーターを一体化した製品だ。ダンパーは高トルク対応の乾式高減衰タイプ。発進機構には湿式クラッチを採用した。モーターの最大出力は61kW。体格は前後531×幅411×高さ571mmで、1モーターハイブリッドトランスミッションはコンベンショナルなATと置き換え可能な全長だという。

1モーターハイブリッドトランスミッションの外観[クリックで拡大] 出所:アイシン

 従来のTHS IIとは性格が異なり、高い加速性能と燃費への貢献の両立を目指した。また、排気量2.4l(リットル)のターボエンジンや後輪を駆動するeAxleとともに商品の魅力向上に貢献した。

 アイシンの製品ラインアップには8速ATもあるが、ハイ側のギア比を8速ATと同等にして燃費への影響を抑えており、ロー側はモーターのトルクアシストによって十分な動力性能を確保する。全長の短縮や構成要素の削減なども含めて、総合的に6速ATが最適だと判断した。

 CVTやDCTとは異なる加速感やスムーズさ、ダイレクト感を実現する上で、今回のユニットは強みを発揮するという。また、サイズに制約がある中で高トルクのエンジンに対応しながら燃費も追求できるのは、CVTやDCTにはないATならではの強みだとしている。

 1モーターハイブリッドトランスミッションの組み立て製造はアイシンの安城第二工場(愛知県安城市)で行う。現時点では海外展開するモデル向けの1モーターハイブリッドトランスミッションも日本で生産する。

BluE Nexusとデンソー、アイシンの役割分担

 BluE Nexusは、ティア1サプライヤーとして自動車メーカーからの要望を受け、各コンポーネントの設計についてアイシンとデンソーに要求を提示する形で開発を行っている。今回はデンソーがインバーター、アイシンがモーターとトランスミッションを担当し、それらをBluE Nexusがシステムとして取りまとめた。

 コンポーネント単位で分かれて開発するのと比べて、緊密な開発体制が実現できているという。過去にもトヨタ自動車の「bZ4X」のeAxleでも、デンソーとアイシンがBluE Nexusを通じて協力している。

 今回、THS IIとは異なるシステムを開発するに至ったのは、トヨタ自動車を代表するモデルであるクラウンで、FFベースのフラグシップセダンの走りの魅力を訴求するという狙いがある。燃費はTHS IIには届かないが、新型クラウン(クロスオーバー)では走りと燃費のそれぞれのニーズに対応したグレードを用意して差別化が図られる。

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