ビーワイディージャパン(BYDジャパン)は2022年7月21日、日本でBYDの乗用車タイプのEV(電気自動車)の販売を開始すると発表した。2023年1月からEV3車種を順次発売する。これに合わせて、乗用車の販売会社のBYDオートジャパンを設立した。2025年までに日本国内にディーラー100店舗を構え、購入の検討からアフターサービス、充電まで対応できる体制を整える。
ビーワイディージャパン(BYDジャパン)は2022年7月21日、日本でBYDの乗用車タイプのEV(電気自動車)の販売を開始すると発表した。2023年1月からEV3車種を順次発売する。これに合わせて、乗用車の販売会社のBYDオートジャパンを設立した。2025年までに日本国内にディーラー100店舗を構え、購入の検討からアフターサービス、充電まで対応できる体制を整える。
これまでBYDジャパンが事業の中心として注力してきたのは電動バスと電動フォークリフトだった。自治体や法人向けにミニバンタイプのEV「e6」も用意しているものの、台数はわずかで実験的な導入にとどまっている。2022年5月10日の電動バスの会見ではBYDジャパン 取締役副社長の花田晋作氏が「乗用車の本格的な展開は考えていない。まずは電動バスで公共交通から電動化を進めていく」と発言していたが、方針を転換して乗用車の日本導入を決めた。
乗用車での日本参入について、BYDジャパン 代表取締役社長の劉学亮氏は「乗用車をいつ日本でも発売するかという多数の問い合わせがあった。自社の調査ではEVを買う意向があるという回答が3割を占めているという結果も得られた。EV市場はまだ完成しておらず、日本市場のEV比率は低いが、われわれの参入によってEVの選択肢が増えれば市場の活性化にもつながると判断した。一緒に力を合わせてEV社会をつくっていきたい」と述べた。
2023年1月に中型SUV「ATTO3」、2023年半ばにコンパクトカー「ドルフィン」、2023年後半にセダンタイプの「SEAL」を発売する。販売台数の目標は明らかにしていないが、ディーラー100店舗を構える上で必要な規模を追求していく。なお、当面は輸入自動車特別取扱制度(PHP)を利用して日本に輸入するため、販売台数は1型式につき年間5000台に限られる。将来的には型式指定制度で認可を受けて輸入したい考えだ。
中国での販売価格はATTO3が13万7800〜16万5800元(280万〜337万円)、ドルフィンが10万2800〜13万800元(209万〜266万円)、SEALが21万2800〜28万9800元(433万〜590万円)だ。日本向けの価格は2022年11月ごろに公表する。
日本に導入する3車種は、いずれもEV専用プラットフォーム「e-Platform 3.0」を採用している。同プラットフォームでは2021年に発表したリン酸鉄リチウムイオン電池「ブレードバッテリー」を搭載。バッテリーセルそのものをバッテリーパックの構成部品とすることでスペース効率を高めている。
また、駆動用モーターとモーターコントローラートランスミッション、車両コントローラー、バッテリーマネジメントシステム、DCコンバーター、車載充電器、高電圧配電モジュールを一体化した「8in1 パワーシステムアセンブリ」も同プラットフォームの特徴だ。
ATTO3は2022年2月に中国で販売を開始した。シンガポールやオーストラリアなどにも導入している。車両サイズは全長4455×全幅1875×全高1615mm、ホイールベースが2720mm、5人乗りで、駆動方式は前輪駆動(FWD)となる。バッテリー容量は58.56kWhで、WLTCモードでの走行距離は485km(社内測定値)となっている。モーターの最高出力は150kW、最大トルクは310Nmだ。
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